面接を制す「80対20」の法則 カギは強みと弱みの明確化

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私は読者からの便りをもらうのが好きだ。マネジメント講習では得られないような実戦的知見が得られるからだ。

先日、私の少々変わったマネジメント手法に興味を持ったクリスティーナ・ネプスタッドから連絡を受けたときも、同じ気持ちだった。彼女は元ミス・カリフォルニアからビジネスコーチに転身した、少し型破りな経歴の持ち主だ。

ネプスタッドが特に興味を持っている分野は、美人コンテストのために数々の面接を乗り越えて勝ち取ったスキルでもある面接準備だ。彼女は面接に関する執筆活動も進め、著書の『The Power Seat(権力の席)』では面接プロセスの分析や、転職希望者にとって貴重な情報である面接準備のコツを紹介している。

彼女の本の中で特に役に立ちそうだと感じたのは、「80対20」の考え方を応用していたことだ。「80対20」といえば通常は「事業の80%は顧客の20%から生じる」という理論を指すが、ネプスタッドはこれを面接に向けた自己評価の方法として使っている。「全ての面接は『自分の内面』を映すものなので、自分のことを熟知していなければならない」とネプスタッドは書いている。

「80対20の法則は、自分をより良く理解するための枠組みとなる。この法則は、誰しも80%の強みと20%の弱みを持っているということを示す。どんなに成功を重ねて自信があるように見えても、100%完璧な人はいない」

さらにネプスタッドは、自分の強みと弱みを客観的で明確な視点から把握し、リスト化しておくことを提案している。彼女自身の例は以下の通りだ。

3つの強み 前向きなこと、やる気があること、決心が固いこと
3つの弱み 頑固なこと、早急に批判しがちなこと、短気なこと

特定の面接に応じてこれにさらに肉付けし、強みや弱みを過去の経験や応募しているポジションに関連付けることもできる。ネプスタッドは「強みの立場からコミュニケーションを展開し、20%の弱みで自分を定義しないこと」と助言する。弱みを理解することは良いことだが、それが障壁となってはいけない。

シンプルに聞こえるが、実践するのは思いのほか難しいだろう。面接準備のために一歩引いて考える時間を作り、強みと弱みを整理して明確にすることは貴重な訓練となる。
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編集=遠藤宗生

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