ビジネス

2018.01.18 11:00

ユニクロvsゾゾの見方は正しいか? 「真のゾゾエフェクト」を読む

J. Lekavicius / Shutterstock.com


なぜならまず、マスカスタマイゼーションによってサイズやデザインが自由に変えられるようになると、他人との被りが目立ちにくくなる。さらには、ブランドの選択ではなくカスタマイズの仕方が人との差別化ポイントとなるため、そもそもブランドの被りをあまり気にしなくなると考えられるからだ。その結果、上述したグローバルSPAが獲りうるシェアの上限値が上昇する可能性がある。
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ユニクロも現在パターンオーダーシャツを取り扱っており、今後アイテム領域を広げてマスカスタマイゼーションに進出してくる可能性が高い。そうなると、ジーンズやカジュアルシャツのようなアイテムにおいてもカスタマイズがブームとなり、スタートトゥデイとユニクロ双方が国内マスボリューム市場においてシェアを伸ばすというシナリオも十分にありうる。

それでは、ZOZOのマスボリューム市場参入によりシェアを失うプレイヤーはどこなのだろうか? 一番厳しいのは、イトーヨーカドーやイオンといったGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)、いわゆる量販店だろう。

以下の図は、国内アパレル市場のチャネル別推移であるが、量販店チャネルは近年減少の一途をたどっており“ゾゾエフェクト”により今後この傾向が加速化する可能性がある。また、従来勝ち組であった専門店チャネルにおいてもより勝ち負けがはっきりするだろう。ライザップが再生中のジーンズメイトのように、業績が厳しくなる専門店が増えると思われる。

*百貨店=大丸松坂屋、高島屋、伊勢丹等のデパート/量販店=イオン、イトーヨーカドーなどのGMS/専門店=路面や駅ビル、SCに入っているテナント/その他=通信販売やディスカウントストア[Source:矢野経済研究所「国内アパレル市場に関する調査結果」2017年]
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マスボリューム市場において、ユニクロは相対的にみるとコストパフォーマンスに優れており、依然として消費者にとっての価値は高い。マスカスタマイゼーションに対応できるだけの準備やデジタル投資もしている。

この市場へのスタートトゥデイの進出は、ユニクロではなく、消費者にとっての価値が曖昧なプレーヤーに対して大きな脅威となるだろう。そして、そういったプレーヤーは市場にはまだ沢山存在するのだ。

文=福田 稔

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