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デービッド・ロックフェラー(Photo by Paul Zimmerman/WireImage)

昨年、101歳で死去した有名銀行家・慈善家のデービッド・ロックフェラーは、特注で設計された高さ1.5メートルのローロデックス(回転式カードホルダー)に、10万人の連絡先を保管していた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は最近、この厳重に保管されたカードホルダーへのアクセスを許可された。

保管されている縦7.5センチ、横12.5センチの連絡先カードの数々は、単なるアナログ時代の遺物ではなく、関係構築の技を極めたリーダーだったロックフェラーの秘密を明らかにするするものだ。

ロックフェラーは人との関係を最優先とし、巨大な友情のネットワークを作り上げた。同紙によると、彼がその必要性に初めて気づいたのは第2次世界大戦で軍の情報部員を務めたときだ。ロックフェラーはその際の経験について「私の成功は、信頼できる情報を持つ人のネットワークを作れるかどうかにかかっていた」と振り返っている。

WSJ紙ウェブサイトに掲載されたカードを注意深く見ると、ロックフェラーが書き留めていたのは名前、役職、電話番号だけではなく、その人と会って言葉を交わした日付とメモが記されていた。ジョン・F・ケネディのカードには「当時駐英大使だった父親とともに英国で初めて面会。ハーバード大学の’38年クラス。大学卒業後は欧州についての本を執筆し、ベストセラーとなった」と書かれている。

また、南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領のカードでは、正しい敬称である「閣下(His Excellency)」を強調。1983年7月5日に面会した際にマンデラからビーズのついたベルトを贈られたこともメモされている。

同紙は、これらのカードが「アナログ時代の究極のコミュニケーションを体現している」と指摘した。ロックフェラーの連絡先カードは、過ぎ去った時代の歴史的遺物であるだけでなく、効果的な対人コミュニケーションは今も変わることがなく、連絡手段が進化しただけだということを思い出させてくれる。

ロックフェラーの関係構築法を目の当たりにした私は、ある世界的に有名な最高経営責任者(CEO)と出席したイベントを思い出した。まるで魔術師のように立ち回る彼のことを、多くの人が「カリスマ的」な人物だと考えていた。

私はすぐにその秘密に気付いた。彼は相手の私生活や仕事の功績に関する細かい情報まで覚えていたのだ。例えばこんな具合に。

「最後にお会いしたとき、娘さんが大学2年目を迎えたばかりでしたね。いかがされていますか?」

「チーフ・エグゼクティブ誌へのご寄稿、おめでとうございます。特に〇〇について書かれていた部分が良かったです」

「以前お勧めしてくださった本を覚えていますか? その本を読みまして、その中のやり方をいくつか導入しました。たとえばですが…」

編集=遠藤宗生

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