ビジネス

2018.01.16

米国進出頓挫のファーウェイCEOの「不屈の闘志」と5Gへの期待

Photo by David Becker/Getty Images


5Gネットワークをリードするファーウェイ

また、同社の輪番CEOの胡厚崑(ケン・フー)の執筆したメモには、2017年のファーウェイのコンシューマービジネス部門の売上が前年度比30%の伸びだったと記されていた。ただし、フーが期待を注ぐのはスマホの売上の増大だけではない。彼が今後を期待するのは、ファーウェイの本来のコア事業であるネットワーク事業だ。

ファーウェイはネットワーク機器を世界170か国以上に送り出しており、5Gネットワークの構築においても主導的なポジションをとっている。昨年、ファーウェイは他のキャリアと共同で、2020年までに5Gネットワークを立ち上げると宣言した。しかし、実際の立ち上げは2019年に前倒しになりそうだ。

5Gネットワークが実現すれば、ファーウェイは世界の通信事業者からさらに多くの売上を獲得することになる。つまり、米国政府がファーウェイを締め出しても、さほど大きな打撃にはならないのだ。ドナルド・トランプが孤立主義的な政策を打ち出すなかで、世界の人々はファーウェイよりも、むしろ米国政府の動向により大きな不安を抱きつつあるのが現実なのだ。

編集=上田裕資

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