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2018.01.14 11:30

遺体動画で炎上のローガン・ポール「年収14億円」に与える打撃

ローガン・ポール(Photo by Emma McIntyre / Getty Images for iHeartMedia)

ローガン・ポール(Photo by Emma McIntyre / Getty Images for iHeartMedia)

ユーチューブは1月10日、青木ヶ原の樹海で撮影した遺体動画を投稿した人気ユーチューバーのローガン・ポールとの提携を解除した。広告枠の「グーグル・プリファード」からチャンネルを除外し、共同開発していた独自コンテンツの制作も中止する。

しかし、この処分はポールの収入にさほど大きな打撃は与えないだろう。彼のユーチューブチャンネル自体は今も存続している。また、ポールは自身のビジネス帝国を築きあげており、ユーチューブに依存しなくても十分稼げるのだ。

「今の自分がネットでやっていることは、自分の未来ではない」とポールは約1年足らず前のフォーブスの取材に応えた。2017年にポールは1250万ドル(約14億円)を稼ぎ出していた。

フォーブスは彼の2017年の収入1250万ドルに占める、ユーチューブ広告の割合を4分の1程度と推定する。今回のグーグルの措置により、広告収入は減少するが全てが消える訳ではない。また、予定されていたオリジナルシリーズから受け取るはずだったギャラも約25万ドル程度のものだった。今回のペナルティでポールが失う金額は300万ドル以下に収まるはずだ。

ポールは収入の大半をHBOやHanes、ダンキンドーナツ、ナイキ、ベライゾン、ペプシといった企業との広告契約で得ている。彼はフェイスブックの1投稿で約15万ドルを稼ぎ出し、インスタグラムの1投稿で8万ドルを得ている。これらの収入は年間では数百万ドルに達する。

ただし、一番儲かっているのは彼のオリジナル衣料ブランドの「Maverick」だ。昨年からオンライン販売を開始したMaverickでは、55ドルのスウェットシャツや100ドルのバックパックが飛ぶように売れ、月に数百万ドルの売上をあげている。

つまり、ポールを懲らしめたいのであればユーチューブではなく、彼を広告に起用するブランドやファンたちに働きかけるしかないということだ。仮にブランドが一斉に彼との契約を打ち切ったなら、ポールの収入は年間で300万ドルから400万ドルの減少になる。

また、彼のファン(もしくはその親たち)たちが不適切な動画への抗議として、グッズの購入をやめればポールの収入はさらに50%以上も減少することになるだろう。

ただし、それが現実になる可能性はかなり低い。昨年1月、反ユダヤ的な動画を投稿し、大きな批判を浴びたピューディパイ(PewDiePie)も、グーグルやディズニーなどから契約を打ち切られたが、彼は2017年に1200万ドル(約13億6000万円)を稼ぎ出していた。

編集=上田裕資

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