Rockchipのマーケティング担当のYanYan Xingは「スマートホームやIoT製品の開発を目指す企業は、このチップを用いることで手軽にスマートスピーカー機能を追加できる」と家電見本市「CES」の会場で筆者に話した。
RK3229は手のひらに収まるほどのサイズで、WiFiやブルートゥース接続に対応。512メガバイトのメモリを搭載し、パワーマネージメントを内蔵している。
アクセンチュアのデータによると、スマートスピーカー市場は2017年に50%の成長を遂げた。スマートスピーカーの所有者らはスマホの使用時間を減らし、音楽の再生だけでなく、Eコマースもボイスで行うようになっている。この分野で先行したのはアマゾンの「エコー」だが、グーグルは「グーグルホーム」を投入し、アップルも今年の早い段階で「ホームポッド」をリリースしようとしている。
現状ではデジタルツールの操作において、スマホが中心的役割を担っているが、その状況に変化が訪れようとしている。ただし、スマートスピーカーは音声操作デバイスの一例に過ぎず、今後はキッチン用品やバスルーム関連のデバイス、テレビのほか、あらゆる製品が音声操作に対応するようになるだろう。
その状況を加速させるのが、今回の「RK3229」のようなチップセットかもしれない。ただし、ハードウェアメーカーらが真剣に考えるべきなのは、音声操作を中心に自社のエコシステムを創出できるかどうかだ。もちろん、アマゾンやグーグルのエコシステムに組み入れられる道もある。いずれにせよ、統合されたエコシステムこそが長期的な価値を持つプラットフォームになることは確実だ。