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2018.01.15 11:30

Forbes厳選!米国の「次なるユニコーン」25社

FlexportのピーターセンCEO

ゲノム組み換え微生物であらゆる素材を作る「Ginkgo」、返品商品の収益化「Optoro」、ワインボトルサイズの衛星を打ち上げる「Spire」……3年後のザッカーバーグはどこにいる?


1. Flexport

調達額:2億400万ドル
2017年売上予想:5億ドル
創業者:Ryan Petersen (CEO)
リードVC:First Round Capital, Founders Fund, Y Combinator

史上初、国際貨物物流の一括プラットフォーム

13年創業。たとえば中国から米国に数トンの商品を輸送したいとき、陸海空の選択肢からトラックや税関を含め、発送&追跡&管理がひとつのダッシュボードで行える。FedExなど小型荷物輸送はIT化が進むが、150Kgを超える貨物物流は超アナログ。積荷目録と中間会社すべてをインデックス化し、同社が唯一この9兆ドル市場をハックした。

ピーターセンは高校生だった90年代後半から、中国で仕入れた商品を米ECサイトで売るビジネスを始めた。あるとき、積荷目録などの米国税関への提出書類はすべて公記録だと気づき、書類4億件を集めて検索可能にしたImportGeniusを創業(07年)。さらに6年後、中間会社(フォワーダー)のすべてをインデックス化しFlexportを創業した。顧客は600を超え、売上は毎月25%増。今年10月に1.1億ドルを調達、評価額は9.1億ドルに。

2. Blend

調達額:1億6000万ドル
2017年売上予想:2700万ドル
創業者:Erin Collard, Nima Ghamsari (CEO), Eugene Marinelli
リードVC:8VC, Founders Fund, Greylock Partners

金融機関向け、住宅ローン手続き全自動化ツール

12年創業。給与計算アウトソーシング企業ADPなどと連携し、税務申告、銀行明細、クレジットスコアなどのデータを自動解析することで、大手金融機関向けに「超迅速」「全オンライン」の住宅ローン申請・承認ソフトウエアを提供。貸し手も借り手も紙を1枚も使わず、数週間のプロセスが数分に短縮。詐欺回避やコンプラ準拠なども自動化が可能に。

創業者3人は政府向けビッグデータ分析スタートアップPalantirで出会い、創業。すでにWells FargoやU.S. Bancorpほか30以上の大手金融機関に導入されており、学生ローンや自動車ローンにも拡大予定。多くのフィンテック企業が貸付機関そのものになろうとするなか、同社はテクノロジーに特化。CEOのニーマ・ガムサリ(31)曰く「2兆ドルのローン市場に革命を起こすには、ホワイトレーベル提供がマストだ」。

3. BetterCloud

調達額:4700万ドル
2017年売上予想:2100万ドル
創業者:David Politis (CEO)
リードVC:Accel, Flybridge Capital Partners
ピボットに成功、クラウドサービスの一元管理ツール

11年創業。企業向けに、利用中のクラウドサービスを一元管理できるツールを提供。元々G Suite(元Google Apps for Work)管理に特化していたが、15年にピボットを決断。顧客対応部門をほぼレイオフし、3500万ドルを投じて再開発。16年末、SlackからZendeskまであらゆるソフトに対応する汎用SaaS管理ソフトウェアとして生まれ変わった。

4. Bright Health

調達額:2億4000万ドル
2017年売上予想:4500万ドル
創業者:Kyle Rolfing, Bob Sheehy (CEO), Tom Valdivia
リードVC:Bessemer Venture Partners, Greenspring Associates

保険の大御所が立ち上げたインシュアテック

15年創業。医療保険と健康増進プランを提供する。米医療保険最大手UnitedHealthcareの元CEOであるボブ・シーヒー(59)ら、保険のプロフェッショナルが創業。カンブリア爆発を迎える米インシュアテック界で、Oscar Health、Clover Health、Metromileに次ぐ調達額を記録。ヘルスケア系NGOなど地域密着の提携を通じた販売モデルが特徴。

5. Cohesity

調達額:1億6000万ドル
2017年売上予想:5000万ドル
創業者:Mohit Aron (CEO)
リードVC:Artis Ventures, GV, Qualcomm Ventures, Sequoia Capital

クラウドの覇者が手がける企業向けストレージ

13年創業。企業向けクラウドストレージプロバイダ。モフィット・アーロン(44)は彼のひとつめのユニコーンであり、09年に創業し7年後にIPOした仮想化基盤プラットフォームNutanixで金脈を掘り当てた(現時価総額33億ドル)。300を超えるCohesityの企業顧客は、サーバーやソフトウェアも含めた同社プロダクトに平均22.5万ドルを支払っている。

6. SeatGeek

調達額:1億6000万ドル
2017年売上予想:7000万ドル
創業者:Jack Groetzinger (CEO), Russ D’Souza
リードVC:Accel, Founder Collective, Glynn Capital Management

チケットリセールの雄が、1次流通にも手を伸ばす

09年創業。米国ではコンサートやスポーツ、演劇などのチケットの転売サイトが100以上も存在する。これらを横断検索&購入できるモバイルプラットフォームがSeatGeek。ひとつの座席表で、各サイトのチケットの席の位置と価格が比較できる。販売手数料8%が利益の源泉。極端なスピードで成長を重ね、18年には1.25億ドルの売上を見込む。

SeatGeekは昨年から、アーティストやスポーツチームがファンに直接チケットを販売できるオープンプラットフォームの提供をスタート。米国とカナダのプロサッカーリーグ「メジャーリーグサッカー」との提携も発表。250億ドルという米国のチケット1次流通市場に、同社の破壊的イノベーションがもたらされようとしている。共同創業者のラス・デスーザ(32)は言う。「この業界の破滅的なユーザーエクスペリエンスを変えたい」。



7. Fundbox

調達額:1億800万ドル
2017年売上予想:5500万ドル
創業者:Yuval Ariav, Tomer Michaeli, Eyal Shinar (CEO)
リードVC:General Catalyst, Khosla Ventures, Spark Capital

中小企業の資金繰りを改善。請求書を即現金化

12年創業。中小企業やフリーランス向けの売掛金の現金化サービス。未入金の請求書を担保にした、データ分析によるスピード短期貸付だ。書類提出等は不要。オンラインアプリに自社の会計データを読み込ませ、現金化したい請求書データをクリックするだけで、融資の可否や手数料が決まる。同社によれば、損失発生率は現在1%程度とのこと。

手数料は金利ではなく「リスクフィー」。請求書ごとにリスクが査定され、手数料が決まる(3カ月先の1万ドルの請求書で5〜7%など)。米国の中小企業が抱える売掛金は8,250億ドルとも。請求書を担保化するという新たな市場を生み出し、アマゾンのベゾスが運営するVCなどから1億ドル超を調達。CEOのヤール・シャイナー(41)はイスラエル系移民で、Battery Venturesに勤務しつつ同モデルを4年間検証したのち起業。

8. PillPack

調達額:1億1800万ドル
2017年売上予想:1億ドル
創業者:Elliot Cohen, T.J. Parker (CEO)
リードVC:Accel, Astral Capital, Atlas Venture, CRV

デザインの力で飲み忘れをなくす「ネット調剤薬局」

13年創業。病院や薬局から処方箋を送れば、飲むべき薬を1回分ごとに小分け個装して2週間ごとに配達してくれるオンライン調剤&配達サービス。世界的デザインコンサルティングファームIDEOのインキュベータープログラムで生まれ、直後に875万ドルを調達。利用料は当初20ドル/月だったが、現在は無料。顧客は4万人を超えて拡大している。


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編集=杉岡 藍 写真=デイビッド・イエレン

この記事は 「Forbes JAPAN 日本の起業家 BEST100」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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