ビジネス

2018.01.15

Forbes厳選!米国の「次なるユニコーン」25社

FlexportのピーターセンCEO

17. Outreach

調達額:6000万ドル
2017年売上予想:2700万ドル
創業者:Wes Hather, Gordon Hempton, Andrew Kinzer, Manny Medina (CEO)
リードVC:DFJ Growth, Mayfield Fund, Trinity Ventures

「営業を自動化」するSaaS

13年創業。営業チームのためのワークフロー管理ソフトウェア。メールやCRMなどからデータを収集、営業状況に合わせた顧客向けメールの自動生成もできる。CEOのマニー・メディナ(41)はエクアドルからの移民で、Microsoftの事業開発ヘッドを経て起業。当初はマッチングサービスだったが14年にピボット。GEをはじめ顧客は1,500を超える。

18. Plaid

調達額:6000万ドル
2017年売上予想:4000万ドル
創業者:William Hockey, Zach Perret (CEO)
リードVC:Goldman Sachs, New Enterprise Associates, Spark Capital

フィンテック向け、銀行とのデータ連携用API

12年創業。フィンテック企業向けに、集約・クレンジングした銀行データを提供。アカウント認証をはじめ、取引状況や残高のリアルタイムチェックが可能だ。有望フィンテック企業の多くが採用しており、イノベーションのインフラとして認知されている。創業者ふたりは2015年のForbes「30アンダー30」(30歳以下の重要人物30名)に選出されている。

19. Postmates

調達額:2億7800万ドル
2017年売上予想:3億ドル
創業者:Bastian Lehmann (CEO), Sean Plaice, Sam Street
リードVC:Founders Fund, Spark Capital

「食のアマゾン」狙うレストランフードデリバリー

11年創業。Uber型オンデマンド・レストランフードデリバリーの大手。全米44都市で月間200万件の配達を行う。同業スタートアップが相次いで巨額損失を出すなか成長を続け、順当に資金調達。王者DoorDash、GrubHub、Yelp、Uber、Amazonらとしのぎを削る。ドイツ移民でCEOのバスティアン・リーマン(39)は19年のIPOを目指すと発表。

20. Livongo

調達額:1億4200万ドル
2017年売上予想:3600万ドル
創業者:Glen Tullman (CEO)
リードVC:General Catalyst, KPCB

専用デバイスによる糖尿病管理の先駆け

14年創業。血糖値モニタリングデバイスを用い、データをクラウドに自動アップロードすることで病状を管理。危険な数値の場合は90秒以内に専門家がコールする。200を超える顧客の多くが自家保険制度をもつ企業。CEOのグレン・トゥルマン(58)は大手医療会社などのCEOを歴任したのち創業。1型糖尿病を患う8歳の息子、同病の妻をもつ。



21. Looker

調達額:1億7800万ドル

2017年売上予想:7000万ドル
創業者:Ben Porterfield, Lloyd Tabb
リードVC:CapitalG, First Round Capital, KPCB

Google、AWSとも協業。急成長BIツール

12年創業。クラウド型BI(ビジネスインテリジェンス)ツール。顧客企業数はこの1年で倍増。Casperなどの有望スタートアップからIBMまで800社が導入し、ユーザは4万人を超える。今年3月のシリーズGでは、Googleの親会社Alphabetが運営するCapitalGなどから880万ドルを調達。累計調達額は1.8億ドルに達し、企業価値は8.5億ドルに。

Lookerの技術的イノベーションは「創業直後の決断にある」とCTOのロイド・タブは言う。当時(12年)、競合企業は大規模データへの対応が難しいSQLを離れ、オープンソースを用いたデータ解析へ急速に移行した。しかしLookerの創業者らは、大規模データの処理が可能になりさえすれば、SQLへの回帰が始まると考えた。これに賭け、既存の仕組みを捨てて全体を一から再設計。判断の正しさは、その後の数字が物語る。

22. Segment

調達額:1億900万ドル
2017年売上予想:4500万ドル
創業者:Calvin French-Owen, Peter Reinhardt (CEO), Ian Storm Taylor, Ilya Volodarsky
リードVC:Accel, e.ventures, GV, KPCB

マーケティングツールを統合するハブAPI

11年創業。企業向けに顧客データの統合的な収集・分析ツールを提供。SegmentのAPIを利用することで、データをマーケティングツールや分析ツールにエクスポートでき、またSalesforceやZendeskなどに統合することもできる。GapやInstacartなど175社が採用。Y Combinator出身、同VCのリードで今年6月に6,400万ドルを調達(シリーズC)。

23. ServiceTitan

調達額:9800万ドル
2017年売上予想:3900万ドル
創業者:Ara Mahdessian (CEO), Vahe Kuzoyan
リードVC:Battery Ventures, Bessemer Venture Partners

技術者派遣業に特化した営業管理ツール

13年創業。電気工事、水漏れ修繕、配管工事など、住宅への技術者派遣型サービス業界に特化した総合管理ソフトウェアを提供。たとえばコールセンターが受けた顧客の住所や状況を、技術者はモバイルデバイスで確認し直行できる。顧客管理、技術者や電話オペレータのフィードバック管理、売上管理などもひとつのダッシュボードで完結する。

24. Vlocity

調達額:1億500万ドル
2017年売上予想:7500万ドル
創業者:David Schmaier (CEO), Craig Ramsey
リードVC:Accenture, Salesforce Ventures, Sutter Hill

Salesforceと密着、クラウド顧客管理ツール

14年創業。保険や電気通信業向けのクラウドベースの顧客コミュニケーソンツール。同社のルーツは90年代、創業者ふたりがマーク・ベニオフ(後にSalesforceを創業)とともにオラクルで働いていたころにさかのぼる。VlocityはSalesforce’s venture─capitalの初期投資を受け、Salesforceのプラットフォームには標準装備。オフィスも同社内にある。

25. Spire

調達額:1億1000万ドル
2017年売上予想:3900万ドル
創業者:Jeroen Cappaert, Peter Platzer (CEO), Joel Spark
リードVC:Promus Ventures, RRE Ventures, Shasta Ventures

自前の人工衛星で海上輸送、気象データを分析

12年創業。海洋を主にした衛星データサービス企業。自社開発の人工衛星51個が蓄積するデータをマシンラーニングで解析し、船舶追跡データや海上気象データとして企業や政府に提供する。違法漁船の位置データの捕捉など、海上保険や海難救助にも寄与。同社は13年、世界初のクラウドファンディングによる人工衛星の打ち上げに成功している。

Spireは「CubeSats」と呼ばれる小型衛星を自社開発。1基あたりの製造から打ち上げにかかる費用は100万ドル以下と超低コストだ。設計・製造からデータ収集まで、打ち上げ以外はすべてインハウスで行う。17年以降は航空機追跡サービスにも参入すると発表。15年のPromus Venturesリードによる4,000万ドルを含め、累計7,000万ドルを調達。本社サンフランシスコのほか、スコットランドとシンガポールに拠点をもつ。

編集=杉岡 藍 写真=デイビッド・イエレン

この記事は 「Forbes JAPAN 日本の起業家 BEST100」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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