東京の夜景を前に「ルイ13世」を楽しむという至福

photos by Masahiro Hatta

ルイ13世を知らないという人であっても、この美しいクリスタルのボトルはご覧になったことがあるのではないか?

熟練したクリスタル職人が11人、タイミングを合わせながら共同作業で息を吹き込んで造り上げるこのデキャンタはバカラ製。ひとつずつシリアルナンバーが付けられ、百合の紋章をあしらったストッパー、24金の装飾で覆われたネック……その細部へのこだわりが、この一本が至高の一本であることを如実に物語っている。

もちろんその中身も唯一無二の存在である。ルイ13世とは広義にはブランデーであり、コニャックである。コニャックを名乗るには、コニャック地方で収穫されたブドウを原料とし、2回の単式蒸留を行った原酒をフランス国内のオーク樽で2年以上熟成させなければならない。

さらに、ルイ13世はコニャック地方の6つの生産区域の最上級であるグランド・シャンパーニュ産のブドウを100%使用。「グランド・シャンパーニュ規格」のコニャックは、全コニャックのうちの1パーセント以下の生産量にすぎないというが、そのなかでもほんの一部、最高のテロワールで育てられたブドウだけがルイ13世となることができるのだ。

ほんの小さな区画から選別され、収穫されたワインは注意深く蒸留され、その凝縮されたエッセンスはフランスでも最上級と称されるリムーザン産のオーク樽で短いもので40年、長いものでは100年にわたって眠る。そうして集まった1200種ものオー・ド・ヴィーを4世代にわたるセラーマスターたちがブレンディングし、ようやくルイ13世はその全貌を現すのだ。

ひと口含めば、芳醇で力強いアタックのあと、ジャスミン、ローズなどの華やかな花のタッチ、またジンジャーやナツメグなどのスパイシーなニュアンスが現れ、砂糖漬けのフルーツも感じられるような……実に250を超えるという香りと味のパレットはなんと1時間以上も舌の上で漂い、長い余韻をもたらす。東京の夜景を眼前にしながら至高の一杯を味わう……まさにルイ13世の名にふさわしい、王のひとときである。

LOUIS XIII ルイ13世
フランスの国王ルイ13世へのオマージュとして名付けられたコニャック。深い味わいと幾重にも重なるアロマ、長い余韻が印象的な、世界最高峰のコニャックである。
度数:40%
容量:700ml
問い合わせ:レミー コアントロー ジャパン 03-6441-3025


左:ザ・プリンス パークタワー1F「THE SHOP」にてルイ13世に合わせたチョコレートを発売予定。一箱2000円(税込)右:目の前にそびえる東京タワーと、都内の夜景を一望できる洗練されたスタイルのバー&ラウンジ。ルイ13世はボトル650000円、グラス(45ml)4万2000円、(30ml)28000円、(10ml)1円。

text and edit by Miyako Akiyama

この記事は 「Forbes JAPAN 日本の起業家 BEST100」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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