「チーム目標の設定」で避けるべき3つの落とし穴

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自分のものではない目標達成のため努力することほど嫌なことはない。まるで、自分が筋肉を付ける代わりに他人の減量目標に取り組むようなものだ。しかし、私が出会うチームの多くはまさに同様の状況に陥っている。ここでは、目標設定でチームが直面する3つの落とし穴を紹介する。

1. 目標が共有されていない

目標が1人(あるいは複数の限定されたメンバー)の考えで、発案者が仕事のほとんどを進めてしまう状況だ。こうした事態が生じる原因はさまざまだが、私が最も一般的だと思うのは単にチーム内の信頼が薄いことだ。

目標を達成するほどの信頼関係をチーム内で築けていないため、目標考案者が過干渉に終始し、信頼関係がさらに悪化する。目標自体は挑戦しがいがあり、刺激にあふれ、メンバーが達成を望むようなものでも、目標を概念化した人物がその共有を拒んでいる。これはチームワークではなく、小規模なグループプロジェクトでしかない。

2. 目標が他人から押し付けられている

状況を理解していないリーダーや上司からチーム目標を与えられるケースだ。営業なのにマーケティング計画の立案を命じられることがあるかもしれない。(これはもちろん大げさな例だが、重要なのは文脈を理解していない人物から目標が与えられるということだ)

例えば、職場の飲み会を企画する目標を与えられたとしよう。これはただの「義務的な余興」なので、目標達成はできても期待を上回る成果を出すことはないだろう。取り組むべき業務をメンバーに振り分けるだけであればこうしたやり方でも問題ないが、チームの目標設定はこうあるべきではない。

3. 既存の目標を「チームが決めた目標」かのように扱う

目標は既に存在していて、目標設定はチームメンバーから同意を得るためのうわべだけの行為であるパターンだ。監督者や上司の頭には達成すべき目標が既にあるものの、チームがどういう反応をするか分からないため、チームが目標設定に影響力を持っているように見せかけ、ごまかしているだけだ。これは目標設定ではなく、チームを操作しているだけに過ぎない。

チームの目標設定が負担となるばかりであまり効果がない場合は、チームを再評価し、自分たちが本物のチームなのか、同じ空間で働くただの個人の集まりになっていないかを考えよう。チームの目標設定は楽しく、示唆にあふれ、実質的な成果を生むものであるべきだ。挑戦的でありつつも、メンバーが圧倒されないような目標を設定しよう。

そして最も重要なのは、目標を達成したらどのように祝うかを考えること。目標達成後に何か良いことが待っていれば、悪い気がする人などいないだろう。

翻訳・編集=出田静

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