キャリア・教育

2018.01.10 08:30

「正直メリットしかないです、子連れ会議」スタートアップ経営者の本音


「クラウドお父さん・お母さん」で社員が親代わりに

宮田:あと何より、子どもって可愛いんですよね(笑)。

家入:そうそう(笑)。たまに採用面接しているときに、子どもが会議室の通路を歩き回ったりすることがあるんですが、それを見た採用候補者から、「赤ちゃんがいる会社っていいですね」と言われることがある。会議が紛糾しているときも、赤ちゃんが会議室の外側からバンバン!とガラス窓を叩いたりすると場がとても和みます。

宮田:子どもって、ひとりの大人ではなく、いろんな大人に囲まれて育っていくのが良いと思うんですよね。僕は実家が建設業だったので、子どもの頃は20〜30人くらいの大人が周りにいて、一緒に遊んでもらっていました。

また、ご近所の大人同士が「〇〇さん、そんなこと教えちゃダメよ!」とか声を掛け合ったりして……(笑)。親ではない大人の温かみを感じながら育ったことは、僕にとって貴重な経験になっています。

家入:小さい頃に接する大人って、今は親か先生かしかいませんが、昔の「村社会」だった頃は、村の皆で子供を褒めたり、叱ったりして育てていたと思うんです。

会社でもそんなことができるんじゃないかなーって。例えば、1〜5歳くらいに向いているお母さんがいたり、野球を教えてくれるお父さんもいてもいい。一人一人が違うお父さん、お母さんになれる。僕はこれを、「クラウドお父さん・お母さん」って呼んでいるのですが、どうですかね(笑)。意外とできるんじゃないかな、と思っています。



宮田:面白い(笑)。お父さんとお母さんをシェアする、みたいな。

私がいないとき、娘が妻に「お父さんの仕事はちょきちょきかな(美容師)?今度、何の仕事をしているのか聞いてみよう」と言っていたらしいんです。

SmartHRはエンジニアが多く、「WEBサービスをつくる仕事」は子供にとってわかりづらい。親の仕事を知ることは子供にとっての誇りにもなると思うので、仕事場にきて他の社員に会わせることも良いことだと思っています。

スタートアップに「働きやすい環境」としてのエコシステムを

宮田:あ、そうそう。家入さん、「小1の壁」って聞いたことありますか?

家入:小1の壁……?

宮田:会社員は、子供が小学生になると離職しやすくなるという社会課題があるんです。幼稚園と保育園は延長保育ができるので、長いところだと20時くらいまで預かってもらえます。

でも小学校では、お昼すぎには学校が終わってしまい、自治体の学童保育なども17時ごろには閉まってしまうので、核家族だと何かあった時に預ける所がないんです。

スタートアップ業界で働く人が増えて欲しいと思っているんですが、結婚や出産を考えている人はやはり家族との時間に対する懸念から転職に躊躇することもある。



家入:うちはたまたま移転したオフィスにスペースの余裕があったのですが、スタートアップだとなかなかコストを割けません。なので、僕は渋谷・五反田・六本木などスタートアップが密集しているエリアに共同で保育所をつくるプロジェクトを考えています。

宮田:それ、とても良いですね。

家入:共同でやれば「スタートアップ業界が働き方を変えようとしている」というメッセージにもなります。シングルマザーやファザーも子供を預けてスタートアップを居場所として認識できるようになると思うんです。

要は生態系と同じで、次の世代につなげていかないと循環が断絶してしまうんです。自分もかつては赤ちゃんで、いろんな恩を受けているわけで。ある種自分の利益を捨ててでも、次につなげるという意識を持たないと社会が循環しない。

宮田:スタートアップで働くことのハードルってそこまで高くない、というところを見せたいですね。

家入:スタートアップでも、気軽に辞めたり、戻って来たり、転職もできる。白・黒と決めるのではなく、グラデーショナルな社会になるといいなと思います。

文=奥岡けんと 写真=小田駿一

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事