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CAMPFIRE代表取締役 家入一真氏

家入:そうですよね。会社に子どもを連れてくることに対して、反対の意見もあるかもしれません。例えば、エンジニアが集中してコードを書いているときに泣き声が聞こえてきたら、嫌な気持ちは少なからず感じるでしょう。

ツイッターでも「大事なプレゼン中はどうするんですか?」「オムツ替えとかどうするんですか?」といった意見も多く寄せられていました。この制度を半ば強引に僕が決めてしまったので、もしかしたらみんなの善意みたいなものに頼ってしまっているだけなのかもしれません(笑)。

ただ、社員が「子どもを預けられないから会社を休む」だけでなく、子供を連れてきて「みんなで面倒を見ながら仕事ができる」という選択肢もあっていいんじゃないかなって。そちらの方が、子育てのプレッシャーみたいなものも分散するかもしれないし、ずっと良いと思うんです。

宮田:その考え、すごく分かります。僕はもっともっと“当たり前”の定義をゆるいものにしたいと思っているんです。さまざまな意見を見ていて、意外とみなさん極端に受け取られているんだなと思いました。


SmartHRのオフィス。子ども同伴は社員も歓迎する。

1日中ずっと子どもをオフィスに連れてくることを絶対とするのではなく、状況によって出社の時間をずらしたり、子どもの学校が終わるタイミングで一時的にオフィスから抜けて、また戻ってくるのでも良いと思っています。規律を守ることに固執するのではなく、子供を預けられない日はリモートワークOKなど、柔軟な働き方を会社が認めることは重要だと思います。そのほうが会社にとってもメリットが大きいと感じています。

「“当事者”の気持ちがわかる会社」をつくる

家入:僕はいま、妻の勤務に合わせて、週3日ほど子どもを会社に連れてきているのですが、宮田さんはどうですか?

宮田:僕も稀にですが、連れてきていますよ。やっぱり社長が子どもを連れてくることで、「社長が連れてきているから大丈夫」みたいに、子どもがいる社員にも寛容な雰囲気をつくりたいと思っています。

家入:CAMPFIREでは、現在、全社員のうち2割くらいの社員に子どもがいます。当事者同士、子どもがいる気持ちがわかるので、積極的に会社にいる子どもの面倒をみてあげようとしてくれています。


SmartHR代表取締役 宮田昇始氏

宮田:やっぱり“認めてあげる”ことが何より大事ですよね。例えば、子どもを連れて電車の座席に座ったとき、膝の上で暴れてしまったり、図らずも隣の人を蹴ってしまったりすることがある。

そのとき、「あ、すみません...」と気まずい気持ちになるんですけど、隣の人が「全然いいですよ、可愛いですね。何歳ですか?」と声をかけてくれると、とても気が楽になる。それって、会社に子どもを連れてくるときも同じ。会社全体で認めてあげれば、子育てもすごく楽になると思うんですよね。

家入:そう思います。僕はずっと会社は社員にとっての「居場所」であるべきだな、と思っていて。出産や介護などライフステージが進むなかで不確実なことが発生したとき、柔軟に対応できるようにしたい。そうすることで社員に、「この会社で働いていてよかったな」って思ってもらえると思いますし、そうした会社にするのが経営者の役割だと思っています。

文=奥岡けんと 写真=小田駿一

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