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だがトランプは、実業界でのトランプの長年のキャリア(そして短い政治経験)を通じて、自分は周りの忠誠心に報いない人物であることを示してきた。これほど多くの人物が裏で大統領を批判するのも無理はない。さらに、米文芸誌ザ・ニューヨーカーによると、トランプ政権のスタッフ入れ替え率は約30%に上り、近年の政権には見られない高さだ。

ここには、どの独裁政権にも共通する致命的な欠陥がある。これはワンマンショーであり、その主役がつまずけば全体が崩れてしまうことだ。

トランプ政権の終焉(しゅうえん)を語る(特にスティーブ・バノンをはじめとする敵や側近が流すうわさを根拠として論じる)のは時期尚早だが、トップに立つトランプが全く主導権を握れていないのは明白だ。特に、自分自身の管理ができていない。「完璧な自分像」を汚すあらゆる人や物を猛攻撃する姿勢を無視したとしても、北朝鮮に関する最近のツイートだけでも十分危機感を呼び起こすものだ。

今回の暴露本は、反トランプ派に対しては彼を嫌うべきあらゆる理由を裏付ける情報をふんだんに提供するものである一方で、トランプ支持者に対しては注意喚起となるべきものだ。どのような犠牲を払ってでも、常に自分を最も輝かしく格好良い存在に見せるという大統領の欲求には、緊急介入が必要であるということを、同著は示している。

米国と世界の行方は、ボタンではなく司令によって核兵器を制御する人物にかかっている。トランプの机の上にあるボタンは、核兵器発射のボタンではなく、世話係を呼んでダイエットコーラを持ってこさせるためのものだ。

ウォルフによる新著の中で最も悲しい部分は、トランプが自身の予想に反して大統領選に勝利したため、自身の仕事を不都合なもの、温室でのぜいたくな生活を邪魔するものとして扱っていることが示されている点にある。

第28代米大統領のウッドロー・ウィルソンはかつて「忠誠心は、自己犠牲の絶対原則を中核に持たない限り何の意味もない」と語った。これはトランプ政権の核心をついている。現政権には、犠牲や信念、心がほぼ存在しない。それも、トップに立つ男を見れば驚きではない。

編集=遠藤宗生

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