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2018.01.08 17:00

世界で最もリッチな国で見た富裕層の新しいリゾートライフ

桟橋にびっしりと停泊しているスーパーヨットたち

桟橋にびっしりと停泊しているスーパーヨットたち

優雅なモナコのマリーナにぎっしりと停泊しているのは、数十億円は下らない「スーパーヨット」たち。富裕層の新しいリゾートライフを知るために、世界一のヨットショーを訪ねた。


スーパーカーや高級時計は、富裕層のステイタスアイテムだが、その究極形がヨットである。特に30mを超える「スーパーヨット」は船体価格も維持費も桁違いなので、これを手にするのは一部の富裕層に限られる。しかしスーパーヨットを購入したいと願う顧客は、年々増えているという。

9月末にモナコで開催される「モナコ ヨット ショー」は、こういったスーパーヨットが多数展示される世界最大級のヨットショー。4日間の会期中に会場を訪れる人々は約3万6000人で、これはモナコ最大のイベントであるF1モナコGPに次ぐ集客数だという。

このイベントに参加するのは、欧米の造船所や“ブローカー”と呼ばれる仲介業者、さらには、スーパーヨットに搭載するテンダー(小型船)やマリンスポーツ用のギア関係を展示するブースもある。会場の奥に行くほどヨットのサイズは大きくなるが、50mクラスはもはや普通。100m級まで展示されるのも、モナコ ヨット ショーならではの光景である。

拡大し続けるスーパーヨットマーケット

モナコ ヨット ショーの盛況からもわかるように、スーパーヨットマーケットが盛り上がり続けている。アメリカ、ヨーロッパ、そしてロシアの市場が大きく、アジアも少しずつ伸びている。なぜ富裕層はスーパーヨットに惹かれるのだろうか?

最大の理由は、余暇の楽しみ方が変わったからである。モノを購入し、所有するだけで満足するのではなく、“体験”に時間と予算を費やす人が増えてきた。その際にスーパーヨットは最適なのだ。例えば陸地からはアクセスできない秘境への冒険旅行も、安全かつ快適に楽しめるというのは魅力的だし、プライバシーもセキュリティも万全。

世界のあらゆる場所に移動できるので、世界中に散らばっている家族を一カ所に集めて、クルーズを楽しみながら久々の再会を楽しむというファミリーもいるそうだ。

ではスーパーヨットを所有するためには、どのような手順を踏めばよいのか? ここで登場するのが“ブローカー”である。彼らの仕事は不動産デベロッパーに近い。

顧客のニーズに合わせて造船所を選び、さらに内装や装備のコーディネートも担当。そして何よりも重要となる専用クルーの紹介もしてくれる。スーパーヨットではキャプテンだけでなく、シェフやキャビンスチュワーデスなど、20名以上のクルーが乗船して快適な旅をサポートしてくれるのだ(もちろんクルーの動線や居住スペースは、キャビンとは明確に分かれている)。

このクラスになると、一艇あたりの価格は数十億円となり、船内は高級ホテルを超える空間が広がっている。しかしその贅沢さを、陸上の不動産物件と比較することはナンセンスだ。なぜならひとたび沖へと出れば、窓の外には絶景が広がるだけ。しかもどこに行くのも、オーナーの自由なのだ。しかしこの極上の贅沢を手にするのは容易ではない。そこで提案したいのが、「チャーターヨットサービス」である。



優雅に楽しむオーダーメイドの旅

チャーターヨットサービスとは、とあるオーナーが所有するスーパーヨットを“期間借り”するサービス。キャプテンやシェフ、クルー以下スタッフも込みでチャーターでき、維持のことを考えずに気軽にスーパーヨットを楽しめるとあって、業界的にも注目されている新しい旅の形だ。

このサービスに強いのが、1975年にロンドンで創業した、経験豊富なスーパーヨットのブローカーである「バージェス」。数々のスーパーヨットを手がけてきたという実績と人材ネットワークを武器に、チャーターサービスを展開。クライアントのニーズに合わせた旅を提案するために、たくさんのスーパーヨットとレベルの高いスタッフを揃えている。しかもバージェスでは、日本窓口も設けているのも心強い。

「船の旅と聞くと、まずは大型のクルーズ船をイメージしますが、あちらは内容もルートも決まっている“パックツアー”。一方、スーパーヨットチャーターなら、クライアントに合わせたオーダーメイドの旅を提案できます」。バージェスの日本窓口を担当するリュウカンパニー代表、神影隆一氏は語る。
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文=篠田哲生

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