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モデナの街中を進むフェラーリたち。その神々しい姿に、人々はカメラを向けずにはいられない。フェラーリには、人を幸せにする力があるのだ。

世界中にファンをもつ「フェラーリ」は、小さな街で生まれる。そのブランド力を支えているのは、産学連携によって培ってきた地元との深い絆と、そこから生まれるクオリティだった。

イタリア、エミリア=ロマーニャ州の都市モデナは、自動車産業の中心地。しかもこの地でつくられるのは、スーパーカーばかりだ。とりわけ近郊の街マラネロは、フェラーリの本拠地として有名だ。


フェラーリは働く人への還元も忘れない。滅多に入ることのできない本社工場を、スタッフとその家族や友人のために開放する「ファミリー・デイ」には、1万人以上が参加。

今年創業70周年を迎えたフェラーリは、モデナで生まれたエンツォ・フェラーリによって創業され、1943年にマラネロにファクトリーをつくった。マラネロの街はフェラーリの企業城下町であり、街を歩くと至る所に、その影響力の大きさを感じる。

フェラーリ博物館はエリア最大級の観光スポットで、その裏手にはテスト走行を行うフィオラノ サーキットもある。昼時ともなればフェラーリの赤いつなぎを着たスタッフの姿も散見されるほど、街にはフェラーリが深く溶け込んでいる。

9月に開催された70周年記念イベントでは、名車がモデナやマラネロの街をパレードし、さらにはフィオラノ サーキットでオークションを開催。世界中から集まったジャーナリストやエンスージアストの前に数々の名車が登場し、どれもが高額で落札された。


9月9日にフィオラノサーキットで開催された「RMサザビーズ」のオークション。その目玉の一つが、日本で発見されたアルミボディの「フェラーリ365GTB/4 デイトナ」。埃をかぶった状態のまま、生誕の地マラネロまで移送されてきた。落札価格は約2億3500万円。

なぜここまで、フェラーリとマラネロは深くつながっているのか? そのキーワードとなるのが「産学連携」だ。

マラネロの街中にある「アルフレード・フェラーリ高等技術専門学校(IPSIA A.FERRARI)」は、フェラーリの教育機関として始まり、現在は公的な学校となった。成績上位者は憧れのフェラーリへ入社できるため生徒のやる気も高く、たとえ入社が叶わなかったとしても、同業他社に優れた技術者を供給することができる。

さらにフェラーリでは、モデナ大学にも研究資金を投じて、産学協同で技術開発を進めている。2012年からは学部名が「エンツォ・フェラーリ工学部」になるほど関係は深く、学生の研究が実際にフェラーリの市販車に採用されることもあるようだ。

フェラーリというブランドには神話があり、夢と憧れの対象である。それゆえ人を動かす力がある。フェラーリという存在が、マラネロという小さな街に才能あふれる人材や学生を集めているのだ。そして産学一体で深く地元に根を張ることで、フェラーリとマラネロは深く、強く結びついているのである。


イベントには豪華なゲストも登場。右から2人目は、F1チーム「スクーデリア・フェラーリ」のエース、セバスチャン・ベッテル。左端は国際自動車連盟の会長ジャン・トッド。

edit&text by Tetsuo Shinoda

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