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2018.01.08

音楽業界に到来する7大変化「中堅アーティスト」は消滅へ

Vagengeim / shutterstock.com

音楽業界はこれからどこへ向かうのか? 2018年、業界に影響を与える可能性のある大小さまざまな7つの変化を予測する。

1. スポティファイがついに上場
スポティファイが投資家たちとの長年の約束を果たす時がやってきた。スポティファイ社は年内に上場し、新たなチャレンジに直面する。投資家からは贅沢なオフィスをはじめとする会社の運営体制に厳しい目が向けられ、大手レーベルからは無料利用枠を制限するよう圧力をかけられるはずだ。

競合相手の勢力拡大(2と3を参照)や、ネットワーク中立性(プロバイダや政府がインターネット上のすべてのデータを平等に扱うべきだとする思想)に関する規制の撤廃(5を参照)により、今年のスポティファイにはこれまで以上の難関が待ち受けている。株価もそれらの影響を反映したものになるだろう。

2. アマゾンが勢力拡大
アマゾンは聴き放題サービスのAmazon Music Unlimitedのマーケティングにますます力を入れる。同サービスは5の規制撤廃をきっかけにシェアを伸ばし、主要音楽配信サービスの一つになるだろう。アマゾンはその勢いを他商品の売上増加にも結びつけ、さらに超大物級のアーティストのスポンサーに名乗りを挙げるはずだ。

3. グーグルが本格的に参入
グーグルはこれまでGoogle Play MusicとYouTube Redに分かれていた音楽配信サービスを一本化する。消費者にとってはより便利になり、グーグルにとってはより効率的なマーケティングが可能になる一方で、この新サービスは既存大手との競争に苦戦するだろう。しかし、5の規制撤廃のおかげで年末までには着実な成長を遂げるはずだ。また、2つのサービスの統合により、YouTube Redが大手レーベルからロイヤリティの低さを問題視されていた件も落ち着くかもしれない。

4. 各社ともに音質がアップ
ライバルとの差別化を狙い、アップル・ミュージックは価格据え置きですべての音源をハイレゾ化する。他社も追随するだろうが、すぐには実現しないかもしれない。アップル・ミュージックのユーザーは、一部の人々を除いて音質の違いを聴き分けることができるはずだ。また、5が功を奏し、アップルは今後も一定の会員数を維持し続ける。
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編集=海田恭子

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