アプリ分析企業「Apptopia」のAdam Blackerは次のように述べた。「アップルのアップストアには300万本以上のアプリがあるが、ARKitを導入したアプリの数は1000にも満たない。導入率は高いとはいえない」
また、さらに悪いことに、導入率は低下傾向にあるという。「ARKitの導入率は下降トレンドにある。昨年10月の導入率は9月から32%の下落になり、11月の導入率は10月から26%の下落になった。12月は11月を10.5%上回ったが、10月と比較すると18%も低下している」とBlackerは述べた。
アップストアには月平均で約2万本の新規アプリが追加されるなかで、ARKit対応のアプリの比率は2%以下にとどまっている。ただし、だからといって拡張現実に未来がないという話ではない。
この状況はアップルが最新端末のiPhone Xで、AR機能にあまり重点を置かなかったことの結果かもしれない。iPhone Xは発売前の噂では前面と背面の双方に、ハイエンドのARやMR(複合現実)の実現に不可欠な3Dセンサーを装備すると伝えられていた。
今回のiPhone Xには前面の3Dセンサーは搭載されたが、背面のセンサーを備えたモデルが登場するのは来年になる可能性もある。ARの本格的な普及までには、まだ数年の時間が必要なのかもしれない。
ARKitに対応するアプリの傾向を見てみると、30%をゲームが占めている。また、12%が実用系で、13.2%が娯楽系、さらに教育系や写真や動画系アプリ、ライフスタイル系アプリの順になっている。