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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

写真提供:トヨタ自動車

世界でもっとも壊れないと言われたクルマ、トヨタ・ハイラックス。破壊不可能と言ってもいいかもしれない。

過去にはイギリスの超人気クルマ番組「トップ・ギア」で、この頑丈な4WD車をどうにかして壊そうと試みたのをファンなら決して忘れないはずだ。お騒がせキャスターのジェレミー・クラークソンは、ハイラックスを燃やしたり、海に沈めたり、森の中で樹木にぶつけ、高層ビルの上から落下させたりした。それでも、どんなに過酷な試練を与えても、この車は壊れることなく、エンジンは始動し、走行することができた。

これが、ハイラックスが1968年の誕生以来、地球上で1700万台以上も販売され、トヨタ車の中で最も売れているクルマの1つである理由だ。オーストラリアで最も売れる車種だし、インドネシアからロシア、南アフリカからシリアまで、さらに北に上ってはフィンランドでも、ハイラックスは伝説的な信頼性を築いている。

とはいえ、これまでハイラックスのデザインと頑丈さ、存在感を好むのは、主に職人たちやオフロードでの力強さを求めるドライバーたちだった。

しかしデザインが新しくなったハイラックスには、飽くなき頑強性を求めるこれまでのユーザーに加えて、新しいユーザーが触手を伸ばしている。それは、ニューウェーブのライフスタイルを持つユーザーや、若いファミリー・ユーザーだ。手頃な価格で信頼性の高いクロスオーバーを持つことがファッション性の主張だと考える彼らの視線が、ハイラックスに集まっている。



この8代目は、マナー教室で教養を身につけてきたプロレスラーのようだ。ボディは屈強で柔軟性がありながら、物腰が柔らかくて社交性も身につけたというところだろう。

それでも、海外での販売は引き続き快調な上、生まれ故郷の日本市場には13年ぶりに導入されて人気が出てきている。トヨタが昨年9月に同車を発表した時に、1年で2000台という販売目標を立てたが、たった3か月で3000台以上。つまり、こういう荷台付きのピックアップ・トラックは意外にもこの日本でも需要があったことがわかった。

では、新型ハイラックスのどこが、ファミリー・ユーザー、特に若い母親たちを惹き付けるのだろう?

まず第一は、外観のデザインがぐっと柔らかくなり、新しいユーザーの視野に入るようになったことだ。これまでの商用車というよりも、オーリスを思わせるトリムを配した室内もなかなか魅力がある。実際、大人が4人ゆったりの乗れるダブル・キャブのインテリアは、現在市販されているクロスオーバーの中で一番よくできていると言えそうだ。

文=ピーター・ライオン

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