ライフスタイル

2018.01.06 11:00

イタリアらしい色気を放つ、マセラティのスポーツSUV──MASERATI LEVANTE S

MASERATI LEVANTE S

トリノ、ミラノと並ぶ北イタリア有数の都市であるボローニャは、西欧最古の大学都市として栄えた歴史を持つ。同時に、近代的な工業都市としての顔も持ち、周囲にスーパー・スポーツカー・メーカーがひしめく。旧市街に足を運ぶと、この街のシンボルであるネプチューンの彫像が目に入る。

マセラティがエンブレムに掲げる三叉の銛は、このネプチューンにちなんだものであり、マセラティの歴史がこの街から始まったことを意味している。
 
1880年代にこの街で生まれたマセラティ兄弟によって創業された自動車メーカーが生み出した珠玉のレーシングカー「Tipo 26」は、当時の名レースであるタルガ・フローリオに参戦し、見事にクラス優勝を果たすという偉業を成し遂げた。続く「V4」が当時の最高速となる246.029km/hを樹立し、その名を世に知らしめることになる。

後にタツィオ・ヌヴォラーリという名ドライバーを得たこともあって、マセラティの名は輝かしいレースシーンでの栄光とともに歴史に刻まれることになった。
 
戦後になって、経営的には厳しい時期が続いた。ときには、シトロエンといったフランス車メーカー、さらにはイタリアのデ・トマゾの傘下におさまるといった紆余曲折を経て、現在は、フィアット・グループの一員として、マセラティはスポーティな走りを継承しつつ、大人4人が乗れる快適なラグジュアリーカーを生み出すことに特化することができるのだ。

実際、イタリア語で“4枚のドア”を意味する「クアトロポルテ」は快適なビジネスサルーンであり、2ドアGTの「グラントゥーリズモ」であっても、リアに大人が十分に座れる空間が確保されている。
 
満を持して登場した「レヴァンテ」は、流行のSUVでありながら、マセラティの伝統に沿ってスポーティな走りとともに、快適な移動空間を提供する。「シャマル」「ミストラル」といった過去の名車と同じく、「レヴァンテ」もまた個性的な“風の名”にちなんでいる。スポーティかつ快適なラグジュアリーカーのメーカーたる伝統が、SUVという新しい分野でも発揮されているのだ。

MASERATI LEVANTE S

DATE
駆動形式 : 四輪駆動
全長 : 5000mm
全幅 : 1985mm
全高 : 1680mm
最高出力 : 430ps
価格 : 10908000円(税込み)
問い合わせ : マセラティ コールセンター(0120-965-120)

レヴァンテ、ギブリにラインアップされるディーゼルエンジン

マセラティ初のディーゼルエンジンを新開発する指揮をとったのは、フェラーリF1エンジンのデザイナーを務めた人物である。イタリアVMモトーリ社との共同で開発され、275psもの最高出力を発揮しつつ、17km/lという燃費性能を誇る。

“可変ジオメトリーターボチャージャー”によって、低い回転域から600Nmもの大トルクをデリバリーする。同時に、エンジンの重量増加を抑えることで、前後の重量配分を51:49と、スポーツカーとして理想的なバランスを保つ。



もっとも重要なのが「マセラティ アクティブ サウンド テクノロジー」によって奏でられるエンジンの音色だ。コモンレール式燃料噴射システムを採用し、排気マニホールドの防音効果を高め、ディーゼル特有の燃焼音を低減すると同時に、テールパイプの脇に取り付けられた2つのサウンドアクチュエーターが、ドライビングスタイルにあわせてエンジン音を変化させる。

photograph by Tsukuru Asada (secession) text by Yumi Kawabata | edit by Tsuzumi Aoyama

この記事は 「Forbes JAPAN 次代の経済圏を作る革命児」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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