さらに個別の商品ページからの購入も13%の増加。買い物カゴからの購入も18%増えたという。ここで大きな役割を果たしたのは従来のような売れ筋商品や類似アイテムのレコメンドではなかった。マシンラーニングを活用し、ユーザーごとに最適な商品を提示することだったという。
パーソナライゼーションの手法を用いることにより、リピーターと新規ユーザーの双方に適切な対応をとることが可能になる。Dynamic Yieldのチームは、顧客のサイト上の行動から購入欲求や特定のアイテムへの関心を読み取り、より高額な商品をレコメンドしたり、まとめ買いを提案する仕組みを構築した。
Dynamic YieldのMukund Ramachandranは「マシンラーニングの技術の発達により、アルゴリズムが人間以上のレコメンド技術を持つようになった」と説明する。Jewelry.comの担当者、Jon Azrielantも「個別の顧客に最適なアイテムを提示することにより、売上を最大化することが出来ている」と述べた。
Dynamic Yieldのシステムを組み込んだサイトでは、リピーターたちの購入履歴をもとにウィジェットが個々のユーザーに最適な商品をレコメンドする。新規ユーザーの場合には、まず最もクリックされやすいアイテムを表示して、サイトに引き込んでいく。
「これまでのEコマースのレコメンドは個別のサイトのみの指標を用いていたが、Dynamic Yieldの場合は様々なサードパーティのデータやCRM(顧客関係管理指標)を組み入れて、商品の提案を行っている」とRamachandranは述べた。
商品ページでDynamic Yieldは、ABテストを繰り返したという。全体の45%のユーザーには類似したアイテムを提示し、別の45%には最も売れ筋のアイテムを提示、残りの10%には現状のアイテムとわずかに変化させた商品の提示を行った。その結果、最も売れ筋の商品を提案した場合に、他のユーザー群よりも10%高い売上を創出できた。
さらに買い物カゴの下部には、一緒に購入されやすいアイテムを提示するウィジェットを埋め込んだという。
「この施策により従来の施策以上の売上の伸びを実現できた。ページ全体のエンゲージメントが高まり、人々をより多くの商品にふれさせて購入意欲を高めることができた」とRamachandranは述べた。