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2018.01.05 07:30

中国で拡大する自動車のEコマース販売、米フォードも参入

Ovu0ng / Shutterstock.com

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北京のインターネット企業に務める29歳のZhang Tianは自動車が大好きだ。過去数年で中古のメルセデスと2台のBMWを乗り換えてきた。

しかし、Zhangは車を買う際に、ほとんどリアル店舗を訪れない。彼がこれまで買った車は全てオンラインで購入したものだ。

「理由は価格の安さにある。ベンツのChevronをサイトから購入した時は、実店舗から買うより3500ドルも安かった」とZhangはフォーブスの取材に応えた。

2016年に2800万台を販売した世界最大の自動車市場である中国では、車の購入行動に根本的な変化が起きつつある。自動車メーカーらはVR(仮想現実)を活用したバーチャルショールームを開設し、大手Eコマースサイトと提携して販売を伸ばしている。

中国のEコマースの売上は現在、世界の47%を占めており2020年までに1.7兆ドルに達すると予測される。中国の人々は今やファッションや生鮮食料品だけでなく、車もオンラインで購入するケースが増えている。背景には、中国には人口に対する車のディーラーの数が少なく、ウェブ経由で手軽に試乗が申し込めるサービスが増加していることもあげられる。

調査企業「Frost & Sullivan」のデータによると、中国では2016年に約100万台の自動車がオンラインで販売された。また、アリババ傘下のタオバオやTモールでは、11月11日の独身の日だけで10万台の車が売れたという。この売上は、1000軒のディーラーの1ヶ月の販売台数に匹敵するとアリババは述べている。

中国では若い世代がEコマースへの依存度を高める中で、オンラインでの車の販売はさらに増加が見込まれる。「EV(電気自動車)の普及がこの傾向を加速させていく。EVは従来の自動車と較べてスペックの多様度の幅が狭く、事前に試乗する必要性が少なくなる。今後5年から10年の間で、Eコマース経由の車の購入はさらに伸びていく」と上海のコンサルティング企業「Roland Berger」の担当者は述べた。

中国政府も規制緩和で販売を後押し

フォードは昨年12月、アリババとの提携を発表し、Tモールでのフォード車の販売を拡大すると宣言した。Tモールでは既にBMWやマセラティ、中国の長安汽車やチェリー自動車らも販売を開始している。また、昨年7月にはVRテクノロジーを活用し、360度映像で車両を確認できるサイト「Autohome」も始動し、スマホ経由での自動車販売の増加を見込んでいる。

一方で中国政府もこの流れを後押ししている。中国商務省は昨年7月、自動車販売に関する規制を刷新し、既存のEコマース業者が手軽に自動車販売に参入できる法整備を整えた。

ただし、クオリティの低い中古車が販売されてしまう問題も起きている。新華社通信の報道によると、中古車販売サイトではほとんど車両検査が行われていないのが現実だという。

北京のコンサルティング企業「Analysys International」の担当者は次のように述べた。「この分野は急激に成長しているが、同時に問題も抱えている。中国政府はオンラインの車の売買に対し、監視の目を強化すべきだ。また、Eコマース企業らも販売する車両のクオリティに責任を持つべきだ」

編集=上田裕資

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