「ブルーゾーン」の生活に学ぶ健康長寿のための2つの習慣

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健康と長寿に関する研究が続けられる中で、科学者たちは「ブルーゾーン」に関心を向けてきた。このゾーンに入るのは、長生きの人が非常に多い沖縄やイタリアのサルデーニャ、ギリシャのイカリア島、米カリフォルニア州のロマ・リンダ、コスタリカのニコヤ半島などの地域だ。

これらの地域では、90~100歳以上まで生きる人たちが多い。そこで、進められてきたのが各地域の生活習慣についての研究だ。長寿に最も効果的だと考えられるものは何だろうか。

これまでの研究の結果、健康長寿に影響を及ぼしていると見られる要因は、その他の科学研究によって有効と確認されたものと一致していることが分かった。米国の研究者で作家のダン・ビュイトナーの著書、「ブルーゾーン 世界の100歳人(センテナリアン)に学ぶ健康と長寿のルール」に基づき、人口統計学の専門家でスペインのIEビジネススクールの副校長であるラファエル・プジョールは、各地域の住民に共通していると確認された習慣を、次の9つにまとめている。

1. よく動く:この地域の人たちは、非常に活動的だ
2. 野菜中心の食事:地中海食やアジアの伝統的な料理の特徴だ
3. 適度に飲酒
4. 「腹八分目」
5. ストレス解消になる行動を取る:地中海地方の人たちにとっては「昼寝」、キリスト教徒たちにとっては「祈り」、沖縄の女性たちにとっては「一緒にお茶を飲むこと」など
6. 「生きがい」がある:毎朝起きて、誰かのためにすべきことがある
7. 社会的集団に属する:健康的な習慣を持つことにつながる
8. 宗教的な活動に参加する
9. 家族との強い絆を保つ

そして、これら9つの習慣は大きく「身体的な健康」と「精神的な健康」を維持する習慣の2つに分類することができる。

精神的な健康についてプジョールは、「家族、宗教を基本とする共同体、社会的集団などは全て、個人の生きがいや生きる理由に関連している」と指摘する。さらに、「生きがいには個人的なものと、集団としてのものがある。集団としての生きがいは、その人が属するコミュニティーが掲げる目標と、その達成のために克服すべき課題と関連している」という。

健康であろうとすることは、必ずしも簡単なことではないかもしれない。だが、健康維持に関する新たなヒントや「こつ」が数多く明らかにされてきていることを考えれば、私たちが考えるよりもずっとシンプルなこととも言えそうだ。

結局のところ、重要なのはいつもの「習慣」ということだ。(健康に良いとされることを)完璧に実行する必要はない。ただ、長い目で見れば、「できるときにできることをする」ことが、効果的なのかもしれない。

編集=木内涼子

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