同社が販売データを公表しなかったのは残念だが、アナリストの試算によると、スマホ市場への新規参入としては、アップルのiPhoneに匹敵する成果を挙げたという。アナリストのTommi Ahonenは、複数の市場データに基づく独自の試算を行った結果、2017年のノキア端末の販売台数が1000万台を突破すると予測している。
「調査データや、HMDによる“インドは3大市場の1つ”といった情報に基づいてQ3の予測を250万台から340万台に上方修正した。また、Q4の予測についても、350万台から570万台に引き上げた。これは、一部の国で12月末までに新たなキャリア提携が実現したことや、広告キャンペーンの影響を加味したためだ。さらに、11月中旬から6週間分のノキア2の販売台数を上乗せした。ノキア2は、HMDにとっては初めて月間販売台数が100万台を超えるヒットになり、1か月半で150万台が売れると予測している」とAhonenは述べている。
販売台数1000万台というのは、他のメーカーと比較した場合、どのような位置づけになるだろうか。これまで、新規参入か既存ブランドのリローンチかに関わらず、初年度に1000万台を突破したメーカーは中国のシャオミとアップルの2社しかいない。
HMDグローバルがこの記録を達成すれば、まさに偉業と言える。ノキアのブランド力があってこその成果ではあるが、グーグルもモトローラブランドを活用した。HMDはiPhoneとギャラクシーの牙城を崩すため、苦労してノキアとライセンス契約を締結し、消費者向けプロモーションに力を注ぎ、世界中のキャリアと関係を構築した。
これまでの努力が結実しても、同社はフィンランド企業らしい謙虚さを持ち、大々的にアピールすることを控えている。