米女性の3割は「がんより孤独が怖い」 3000人の健康意識を調査

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米国の女性たちの3分の1は、がんと診断されることよりも孤独を恐れていることが分かった。「自分にとってのウェルネス(健康と幸福)とは何か」について女性3000人を対象に行った調査の結果、明らかになった。

健康的な生活のための情報を提供するエブリデイ・ヘルスが、女性のウェルネスの実現を妨げている要因と、女性が最高の人生を送るために必要なものは何かを明らかにするために実施した調査によれば、最も大きな影響力を持つ要因は、「経済的安定」「健康」「支えられているとの実感」「自信を持てること」「バランスが取れ、楽観的でやる気に満ちていること」だった。

一方、女性たちを最も不幸な気持ちにさせているのは、「ストレス」と「不安」だった。これに次いで多かったのは、「体重」「BMI(肥満度指数)」「ウエストのサイズ」「セルフイメージ(自己像)」との回答だった。「経済的安定」「心の状態」「ワーク・ライフ・バランス」を挙げた人も多かった。

このほか、「人間関係」「介護義務」「ドナルド・トランプ米大統領」が自分の幸福度に強い影響を与えてきたとする人たちもいた。また、20%近くの女性たちは「過去1年間にセックスで満足したことはない」と回答。75%は「素晴らしいセックスより素晴らしい食事がしたい」と答えた。

ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部臨床産婦人科学のローレン・ストレイカー准教授はこの回答が多かった理由について、「おいしいものの方が確実に手に入る」からだと説明する。「正直なところ、アイスクリームサンデーと素晴らしいセックスのどちらかを選べと言われれば、アイスクリームを取る女性が多いだろう」という。

また、睡眠不足も女性たちにとっての問題の一つだ。十分な睡眠時間を取れていない女性は、81%に上った。

しかし、悪いニュースばかりではない。「愛され、大切にされ、支えられ、誰かにとって特別である」と感じている女性は、全体の半数となっている。さらに、毎日ではなくとも「週に一度は声を出して笑っている」という女性も半数だった。

「自己犠牲」が幸福度に影響

特に注目すべきと考えられるのは、「ほかの人より自分にとって重要なことを優先する」という女性がわずか24%だったという事実だ。ベルギーのゲント大学が行った別の調査によると、育児休業から復帰したばかりの女性126人に出勤し始めて以降日記をつけてもらい、その5日分の内容を分析したところ、「仕事と育児のバランスを取ろうとすることによって、周囲の人たちとの間に距離ができている」と感じるとき、母親たちの幸福度が低下することが分かった。

この調査結果をまとめた同大学の教授らは、「母親たちに必要なのは、育児と仕事の両立というプレッシャーの中でも、心を満たすことにつながる何かを探すことだ」と指摘している。

これらの結果から分かるのは、女性たちには基本的に、「一息つく」必要があるということだ。完璧な母親、完璧な働く女性、完璧なスタイルになろうとすることで生じる不安から、一歩距離を置く必要があるということだ。

恐らく口で言うほど簡単ではないだろう。だが、まずは「時には自分を優先する」ということを、新年の抱負に掲げてみてはどうだろうか。

編集=木内涼子

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