人気があるからといってメニューに載せ続けるレストランやシェフが怠惰なのだと批判する人もいるかもしれない。だが、彼らにも生活がある。大勢の人たちが食べたがるものを提供しているだけなのだ。
以下のリストに挙げるのは、2011年から毎年、その年に流行した食とレストランのランキングを発表しているトラベルライターの筆者と、食に関する専門家数人の意見に基づき、「もう姿を消してもいいもの」として紹介する食品や料理だ。ただし、これらの大半は味にも質にも問題はない。間違いなくおいしいものがほとんどだ。
1. ユニコーンフード
あまりに「自意識過剰」で奇抜なメニューは友人たちからのコメントをもらうために、インスタグラムに投稿しなければならない。例えば、スターバックスが今年発売した「ユニコーンフラペチーノ」が、そうしたメニューの一つだ。ピンク色の中にブルーが渦巻き、シュガークラフトの味がする。
外食産業情報の専門誌、ネーションズ・レストラン・ニュースの編集主任ブレット・ソーンは、「かわいらしく視覚的に引き付けられる食べものは、それはそれでいいとする」「だが、大切なのは味だ。これら(ユニコーンフード)にはそれが欠けている」と話す。
2. アボカドトースト
問題はこういうことだ──。アボカド半分の値段は、75セント(約85円)くらいだろうか?本当においしいパンでも、スライスした一枚分なら50セントくらいだろう。パンをトーストして(筆者は少しオリーブオイルを塗る。これでプラス20セント?)、アボカドをスライスしてパンに乗せ、塩こしょうをふる。アボカドトーストは、これで完成だ。
だが、飲食店で注文すると、値段はおよそ15ドルになる。なぜそれほどまでに高くなるのか、誰か教えてくれないだろうか?
3. ココナツオイル
フードジャーナリストのリンダ・ブラムによれば、ココナツオイルの流行は、「健康的だと思うなら、ばかげている」。米国心臓協会も警告している点だが、「ココナツオイルは82%が飽和脂肪だ。これまでの研究結果から、ココナツオイルもバターや牛肉の脂、パーム油と同様に、含まれる飽和脂肪によってLDL(悪玉)コレステロール値を上昇させることが分かっている」という。
ただし、米国の料理界の発展を支援してきたジェームズ・ビアード財団のイザベラ・ウォジックは、「乳脂肪を含まないパンを焼きたいときに使われるようになっている。今後も使われ続けるだろう」と話す。
4. フライドチキン・サンドイッチ
このリストにこの料理を入れるべきかについては、悩むところだ。定番メニューであり、間違いなくおいしい。どの店も(ファストフード店は除く)競い合って、ますますおいしいものにしてきた。問題は、最近ではほぼ全ての店のメニューに必ず載っているように思えることだ。