なおアマゾンエコーとグーグル・ホームは、北米市場でも「2強状態」にあり、シェアの大部分を占めているという統計もある。とはいえ、AIスピーカーの時代は始まったばかり。他社製品も続々と発表されており、今後どの製品が人気を得ていくかは不確かな状況だ。
10年を経て復活したソニー「aibo」
今後、AIスピーカーの分野で期待される製品のひとつに、ソニーの「aibo」がある。ソニーは1999年に自律型ペットロボット「AIBO」を発表。2006年に生産を終了していた。しかし、2017年11月に表記をアルファベットの小文字に変え、改めて販売すると発表。予約開始からわずか20分で完売となり、巷の話題をさらった。
今回、新しくなったaiboには人工知能が搭載されており、自らオーナーに能動的に働きかけ、喜ぶことを学習していくという。また高齢者などの健康状態をチェックする「見守り機能」をはじめ、他社が開発したIoT端末と連動したサービスも随時更新されていく計画だという。
aiboは犬型ロボット、ペットロボットと呼ばれているものの、仕組みや機能、想定されている用途などを考え合わせると、AIスピーカーとしての特徴をすべて持ち合わせている。公言されてはいないが、ソニーがAIスピーカーの盛り上がりに合わせて市場に投入したのは、火を見るより明らかだろう。AI業界関係者のひとりは次のように話す。
「市場投入のタイミングが非常に上手い。しかも、aiboは過去に人気を博した商品の復刻盤で、アマゾンエコーやグーグル・ホームにはないキャラクター性も持ち合わせている。今後の発展や売れ行きが楽しみです」
LINEとNAVERが共同開発
キャラクター性という文脈では、LINEとNAVERが共同開発したAIスピーカー「Clova Friends」も見逃せない。同製品は、LINEフレンズのキャラクター「ブラウン」と「サリー」をモチーフにつくられたものだ。非常に愛らしい姿で、重量は378gと軽量。バッテリーの連続使用可能時間は5時間となっている。
搭載されているAIは、両社が共同開発した「Clova」。同AIはこれまでアプリなどに搭載され、音楽再生、生活情報検索、カレンダーブリーフィング、交通情報、場所のお勧め、英会話などのサービスを提供してきた。