オーガーとは?
ポモナ大学中退者で、投資会社パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)の共同最高投資責任者(CIO)のジョーイ・クルグと、生物物理学の博士号を持つジャック・ピーターソンが2014年に創設。多くの人々が結果予測に関わればその予測はより正確になるという「群衆の知恵」を利用し、最も正確な予測市場を作ることを目的としている。
現在、公開テスト段階にあるオーガーは、迅速で安価に金銭を動かすことができる分散型台帳システム「イーサリアム(Ethereum)」上で運営されている。イーサリアムは、時価総額でビットコインに次ぐ2番手のブロックチェーンプラットフォームだ。
オーガーは従来型ベッティングシステムと比べ、かなり割安に予測市場に参加できる。クルグはこの夏のブログ投稿で「(ブックメーカーの)Betfairでは10%以上かかる手数料が、オーガーでは1%以下となるだろう」と書いている。
オーガーの創設者らは、これまでの予測市場やベッティングプラットフォームの問題として、中央集権型であるがゆえに取引所が閉鎖されやすい点があったと指摘する。また、イベントの結果報告が特定のグループ任せとなり、間違いや不正も起こりやすい。
オーガーは分散型システムのため、多くの人々が結果を報告でき、正確性が高くなる。正しい結果を予測した人には、オーガーの通貨であるREPで報酬が与えられる。
オーガーでは、誰もが質問を投稿して予測市場を作ることができる。例えば「アヴリル・ラヴィーンの次のアルバムの発売はいつ?」「2018年FIFAワールドカップ勝者は?」などの予測市場が作られている。
業界人の評価と競合
クリス・バーニスキとジャック・テイターは新著『Cryptoassets: The Innovative Investor’s Guide to Bitcoin and Beyond(暗号資産:ビットコインとその先にあるものに関する革新的な投資家向けガイド)』の中で、オーガーに対する業界関係者の熱狂ぶりを記している。
デジタル通貨取引所最大手コインベース(Coinbase)のブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は昨年、オーガーを「大きな潜在性を持つ素晴らしいプロジェクト」と評価。イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリンも、オーガーを「知識のウーバー」と呼び、その潜在力を認めた。
オーガーの主な競合相手としてはグノーシス(Gnosis)やストックス(Stox)などがある。ストックスのコインは8月の発行開始後に衰えを見せ、2017年12月時点の時価総額は約2700万ドル(約31億円)だ。