私は、当時話したブランディングコンサルタントから「最終的な結論を出すのは、より確実なデータが出るまで待つ必要がある」と言われていたが、その「より確実なデータ」がこのほど、2つの全く異なる組織から発表された。
1つ目は、サイモン・アンホルトとGfKが共同で実施する「国家ブランド指数(NBI)」調査だ。同調査は過去13年間、50か国に対する認識を「統治」「輸出」「観光」「投資と移住」「文化」「人々」の6つの重要要素に分けて調査している。2017年の調査はトランプ政権誕生以降では初めてのもので、2万人以上を対象とし、先月公開された。
米国の総合国家ブランドは、昨年の1位から6位へと転落。「文化」面では昨年と同じ順位を維持したものの、その他の全ての評価項目で順位を落とした。米国を抜きトップ5に入ったのは、1位からドイツ、フランス、英国、カナダ、日本だった。
GfKのNBIグローバルディレクター、バディム・ボロスに話を聞いたところ、米国(またはその他の国)の世界での認識がこれほど大幅に後退したのは今回が2度目だという。「初めて急落したのはブッシュ政権最後の年、2008年で、米国は7位まで後退した。しかし、オバマ大統領になってからは回復した」
米国ブランドの失墜を示す2つ目の調査は、米商務省の旅行観光局(NTTO)が発表したものだ。同機関が11月後半に発表した報告書によると、海外からの米国訪問者数は2017年前半、前年同期比で130万人以上減少し、3.9%減だった。訪問者の出身国別に見ると、著しく低下したのはブラジル(14.3%減)、インド(12.9%減)、英国(6.2%減)、メキシコ(9.4%減)だった。
全米旅行産業協会(USTA)のロジャー・ダウ社長兼最高経営責任者(CEO)は「最新の政府データは旅行業界だけでなく、米経済の健全性に関心を寄せる人にとっては非常に大きな懸念だ。このデータが発する警告は否定できない。米国は、問題の修正に最優先で取り組む必要がある」と述べた。