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posteriori / shutterstock

自動運転の実現に向けて競争が激化しているのが、LiDARセンサーの分野だ。そんな中、競合よりも劇的に安価で、高性能なセンサーを提供すると宣言したスタートアップ企業がある。

サンフランシスコ本拠の「Ouster」は先日、LiDARセンサー「OS1」を1台あたり1万2000ドルで販売開始すると発表した。同社は「Cox Enterprises」やフォード会長のビル・フォードが率いる「Fontinalis Partners」等から2700万ドル(約30億円)を調達したことも明らかにした。

OusterのLiDARセンサー「OS1」はベロダインの最上位モデルの「HDL-64」よりも軽量で小型化を実現しており、同社は調達資金で生産体制を強化するという。ベロダインは10年にわたり「HDL-64」を販売しており、この分野で確固たる地位を築いてきた。

OusterのCEOのAngus Pacalaはフォーブスの取材に次のように述べた。「我々は実際に製品を販売開始するまで、自分たちの製品について語ることを避けてきた。LiDAR分野では誇大な宣伝を行う企業が多いが、そのトレンドに逆らいたかった」

自動運転車において視覚の役割を果たすLiDARは必須のデバイスだ。この分野のリーダーであるベロダインは現在、カリフォルニア州サンノゼの工場で増産体制を整えている。同社は月間生産台数100万台の達成を目指し、今後の需要に応えようとしている。

調査企業「IHS Markit」のアナリストのAkhilesh Konaは、LiDARの市場規模は2026年に2016年の約10倍にあたる25億ドル(約2800億円)にまで拡大すると予測する。

Ousterの当面の目標はOS1を月間1000台生産することで、2018年後半には生産台数を1万台にまで拡大するという。創業者のPacalaはスタンフォード大学出身で、過去に固定式LiDARに特化した企業「Quanergy」を共同創業していた。Ousterは既に製品を出荷しているが、顧客企業の名は伏せた。

出資元の「Fontinalis Partners」創業者のChris Thomasは次のように述べた。「LiDAR市場の調査を進めてきた結果、Ousterの技術力はこの分野で主導的ポジションをとれると確信した」

Ousterによると、OS1はマグカップの半分ほど大きさで、様々なタイプの車に搭載可能だという。また、OS1の解像度はベロダインのHDL-64と同等だという。

LiDAR分野では現在のところ、性能を客観的に評価する外部機関が存在しない。Ousterが本当に業界のゲームチェンジャーになれるかどうかは、このデバイスを1万2000ドルで購入した自動車メーカーの反応を見るまでは分からない。

編集=上田裕資

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