米国の消費者情報誌「コンシューマー・レポート(CR)」が12月21日に発表した調査結果によれば、購入者の満足度が最も高いブランドのトップ3は首位から順に、テスラ、ポルシェ、ジェネシスとなった。
高級ブランとしてヒュンダイから独立したのが2015年、「G80」と「G90」のセダン2モデルを販売しているにすぎないジェネシスとしては、3位という評価は悪くない結果だ。実際のところ、調査対象とした30のブランドの中で、「走行、快適性、価値、スタイリング、オーディオ、環境対応」の全カテゴリーで最高水準の評価を受けたのは、ジェネシスだけだった。
CRの自動車試験部門の責任者、ジェイク・フィッシャーはこの結果について、「購入者たちはジェネシスを買うとき、それほど期待をしていなかったのかもしれない」と話す。「購入後、期待以上の車であることが分かったということだ」
「ジェネシスは長い歴史のある高級車ブランドではない。それでも走りは非常に良く、快適で、静かだ。当然ながら、価格の割に良いものだったということになる」
一方、ジェネシスとは反対に、満足度で最も低い評価となったのはアキュラだった。これについてもフィッシャーは、「問題となるのは期待感だ」と指摘する。
「アキュラを選ぶとき、購入者は信頼できる車であると同時にぜいたくさも感じられる車であることを期待する。だが、アキュラは頼りがいのあるまさに高級車、と言えるモデルではない」
「もちろん、車としての評価が最も低いということではない。購入者の期待と、実際の経験の間にある差異の問題だ」
調査結果では高級車のエントリーモデル、例えば3万8000ドル(約430万円)のメルセデス・ベンツ「GLA」や、2万9000ドルのアキュラ「ILX」などがランキングの下位に入った。その理由を説明するのもまた、こうした「差異」だ。これらのモデルの購入者は、低価格で手に入るラグジュアリーを期待する。だが、現実にそれを提供するのは難しい。
そうした中で、ジェネシス「G80」は競合モデルのメルセデス・ベンツやBMW、アウディの評価を上回った。さらに、ジェネシスが米国の消費者からこうした高い評価を受けるのはこれが初めてではない。市場調査会社 J.D.パワーの「自動車商品魅力度(APEAL)」調査、「自動車初期品質調査(IQS、購入後初期の段階にある所有者を対象とした調査)」で2位入っている。