米国女性として「史上最年少IPO」を果たしたStitch Fix創業者の理念

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アパレルのサブスクリプションサービス「Stitch Fix」が2017年11月に上場した。調査会社FactSetの調べによると、34歳の創業者カトリナ・レイクは女性起業家として史上最年少でIPOを果たしたことになる。

レイクは先日、NASDAQにて取引開始ベルを鳴らす上場セレモニーを敢行。幼い子どもを抱えた若い女性起業家の姿は、男性で埋めつくされた証券取引所で異彩を放った。

今回の上場により、レイクが2018年の「アメリカで最も成功した女性」ランキングに入ることは確実だ。レイクは11月28日の時点で自社株の16.6%を所有しており、その資産価値は3億3000万ドルを超える(2017年の同ランキングの最下位者の純資産額は2億6000万ドル)。また、2017年のランキングでレイクよりも若い女性は27歳のシンガーソングライター、テイラー・スウィフト一人だったことを考えると、最年少グループの一人となることも間違いない。

レイクはスタンフォード大学とハーバード・ビジネス・スクールを出た後、2011年にStitch Fixを創業。現在、同サービスは220万人のアクティブユーザーを抱え、旧来のアパレル小売や「Trunk Club」「MM.LaFleur」といった新興のEC企業としのぎを削る。

Stitch Fixの売りは、AIと人間のスタッフによる細やかなスタイリングサービスだ。ユーザーはまず、自分のサイズや好み、予算などに関する質問に答え、詳細なプロフィールを作成する。後日、5つのアイテムが自宅に届き、ユーザーは気に入ったものを手元に残して、気に入らなかったものは返品する。利用料は1回20ドルだが、1着でも購入した場合は商品代から20ドルが引かれる。さらに、ユーザーが購入理由や返品理由などのフィードバックを返すことで、次回はより好みに合った商品が送られてくるという仕組みだ。

Stitch Fixが証券取引委員会に報告した2017年度の売上は9億7700万ドル(約1100億円)。前年度の7億3000万ドル(約822億円)から大幅にアップした。同社はこれまでに4700万ドル(約53億円)を資金調達しており、11月28日時点の時価総額は21億ドル(約2360億円)だった。

現在、Stitch Fixは今後の展開を静観しているところだ。レイクは2016年、フォーブスの取材に対し自社の理念を次のように語っている。

「構想の軸は常にパーソナライゼーションだった。アマゾンやイーベイをはじめ、インターネット上では無数の商品を見ることができる。地球上のすべての商品を見られると言っても過言ではない。ただし、自分に似合うものを見つけることは難しい」

編集=海田恭子

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