「副業」の余白で社員が伸びる|家入流ゆるふわ経営論 第2回

旅するおむすび屋さん “むすんでひらいて”を手がける、CAMPFIREの菅本香菜さん


すでに、日本でもちょっとした変化が起こっています。つい先日、厚生労働省の有識者検討会で、会社員の副業や兼業を推進しようというガイドラインがまとまったのです。毎日新聞の記事を引用しましょう。

“多くの企業は長時間労働になることや本業がおろそかになるなどとして、社員の副業・兼業を就業規則で禁じている。中小企業庁が2014年度に実施した調査によると、副業や兼業を認めている企業は、回答した約1200社の14.7%にとどまる。

指針では、副業や兼業について労働者が社内では得られない知識やスキルを獲得でき、所得を増やすことができるなどと明示。現時点で禁止や許可制にしている企業には、自社の業務に支障があるかを精査し、支障がない場合は原則認める方向で検討するよう求めている(毎日新聞2017年12月19日付)”

このように、「社内では得られない知識やスキルを獲得でき、所得を増やすことができる」とそのメリットが明示されています。近いうちに、副業は僕たちのようなベンチャー企業ではなくても、自由な働き方が実現できるかもしれません。

もちろん経営者の立場からすれば、難しい側面もあるでしょう。本業に支障が出るかもしれない、長時間労働で健康に害があるかもしれない。会社ごとに様々な考え方があるので、副業を認めることが必ずしも正解だとは言いません。

でも、実際に実施した僕からすれば、明らかにプラスのほうが多い。せっかく雇用した優秀な人材が、他にやりたいことを見つけて会社を辞めてしまうよりもずっといい。それに、会社が余白を設けてあげさえすれば、社員はそのなかで伸び伸びと仕事をするんです。

雇用形態は専業、副業と様々ですが、明らかに社会は変わり始めています。日本中のいろんな会社から、旅するおむすび屋のような面白い“複業”が増えていくといいなと思っています。

文=家入一真

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事