ビジネス

2017.12.22

広がる「世界観」市場、フォトジェニックマーケティングの現在地

自撮りに特化したカメラも大人気


理想形は「パンケーキ」

フォトジェニック施策の相談を受ける中で、私は「◯◯をパンケーキ化しましょう」という言葉をよく口にします。

この意図は、パンケーキが愛された理由が単においしいからだけでなく、「パンケーキを食べているライフスタイルのかわいさ」が購買動機になっていて、それがフォトジェニック施策の理想形であるからです。「パンケーキを食べに行く」という行動は、SNS投稿をもって完結するところがあります。実際パンケーキ店に行くと、スマホのシャッター音が鳴りやみません。



一方で現在多くの企業のSNS施策は、言いたいことやメッセージを伝えることに頭がいっぱいで「点」でしかフォトジェニックを捉えていません。女子たちが自分のライフスタイルとしてその商材を紹介するに値する理由や、シーンの演出が置き去りにされているのです。

車を例にたとえるならば、「燃費が良くなった」「エンジンが高性能になった」と言ったところで、女子たちはどこ吹く風。自分ごと化されないのは言うまでもありません。車に乗るライフスタイルは何が良いのか、どのように素敵なのかを丁寧に提案してあげないと、本当の意味でのフォトジェニック施策の成功はないのです。

今回はフォトジェニックを切り口に、施策の明暗を分けるヒントをお届けしました。次回は「インスタ映えのいま」をテーマに、一部で水商売化しつつあるプロモーション課題や、本当に支持されるアカウントの共通点を解説していきたいと思います。

文=中村朝紗子

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