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“フォトジェニック”を読み解く

自撮りに特化したカメラも大人気

今年は「インスタ映え」が流行語大賞にノミネートされるなど、フォトジェニック市場はますますの盛り上がりを見せています。この連載では、フォトジェニックブームが何によって生まれたのかを紐解きながら、インスタ女子たちのインサイトを探り、さらにはこのムーブメントが今後どのように発展していくのかを考えていきます。

フォトジェニックなしでは起業できなかった

さて、少しだけ私の話をさせてください。起業のきっかけは5年前、大学3年生のときに「撮影女子会」というサービスを思いついたことでした。これは、ドレスアップ&ヘアメイクで変身した姿をプロのカメラマンに撮ってもらい、仲良しの友だちと“自分史上最高にかわいい”を更新する体験型女子会です。

ローンチから1年で、サービスは『王様のブランチ』や『CanCam』に取り上げられるまでに至ったのですが、そのエンジンとなったのはSNSでの口コミ、ガソリンとなったのはフォトジェニックでした。特にお願いをしなくても、お客さんが渡した写真をSNSに投稿し、まるで“中の人”ばりに撮影女子会を宣伝してくれたのです。その熱量たるや……!



費用をかけずとも、非日常体験 × 絵になるシーンは自然拡散していく。しかも、強烈に愛されながら。このことに私は衝撃を受けました。そしてこれが、私がいま提案している「フォトジェニック・マーケティング」という考え方のルーツになっています。

ライフスタイル消費としてのインスタ

「拡散のカギ=フォトジェニック」、この方程式が世に広まってから、インスタキャンペーンやフォトブースの設置など、さまざまなフォトジェニック施策が行われるようになりました。だけど残念ながら、失敗しているものも多いのが現実。では、フォトジェニックにおける成功と失敗の差は一体何なのでしょうか? それを知るには、SNSの構造と女子のインサイトを正しく理解する必要があります。

まず、SNSは「投稿」と「タイムライン」という二構造で成り立っていますが、これは言うなれば「点」と「線」。日常のキラキラした瞬間を「点」で紡ぎ、ライフスタイルを「線」として連想させるのが女子にとってのSNSです。

正直いえば、私にだってあります。むくんだ顔で起きる二日酔いの朝や、すっぴんをひた隠しにしながら地元のスーパーで買い物している瞬間が。しかし当然、そんなシーンをSNSには上げません。そう、ここがポイント。女子の投稿動機は、「自分のライフスタイルの一部として見せるに値するかどうか」にかかっているのです。

当たり前といえば当たり前ですが、この基本を抜かしてしまうと、フォトジェニック施策は間違った方向に進んでしまいます。脈絡もなく自社商品との自撮りをとらせたり、企業ロゴがドカンと入ったバックパネルに立たせたり……。果たしてそれに共感し、憧れる女子はいるでしょうか。答えはもちろんノー。そうした違和感のある「点」は、「線」として受け入れられることはありません。

文=中村朝紗子

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