米疾病対策センター(CDC)は2014年、必要な睡眠を取っていない成人の割合は3分の1を超えていると発表した。こうした中、睡眠衛生と健康・ウェルネスの促進を目指す非営利団体のタック・スリープ・ファンデーションは12月上旬、全米150都市を対象にした「睡眠に最も適切/不適切な都市」を発表した。
7時間以上の睡眠を取ることができている、またはいない住民の割合に基づくこのランキングは、睡眠に影響を及ぼすさまざまな要因について分析した結果をまとめたもの。睡眠に対する各都市の「適性」を評価するため、調査ではそれぞれの住民の睡眠に関する状況、通勤時間、肥満度、失業率、各都市の大気汚染、光害、進行中の建設工事など、睡眠に関連のある複数の問題について詳しく調べた。
その結果、最も睡眠に適した都市は、コロラド・スプリングス(コロラド州)、スーフォールズ(サウスダコタ州)、ボイジー(アイダホ州)であることが分かった。
一方、最も睡眠不足の人が多く、睡眠に不適切と考えられる都市は、「睡眠不足率」が50.8%のデトロイト(ミシガン州)だった。主な原因は、多数の建設工事が進行であることに伴う交通渋滞の悪化と移動時間の延長、騒音公害などと考えられる。次いで不適切な都市とされたのは、ニューアーク(ニュージャージー州)、バーミングハム(アラバマ州)だった。
住民の44.3%が十分な睡眠を取れていないことが分かったフィラデルフィアでは、主に公害問題と肥満率の高さ、平均を超える失業率が理由と指摘されている。また、「眠らない街」として知られるニューヨークは、今回の調査結果で実際に、その名のとおりの街であることが確認された。睡眠不足率は41%となっている。騒音をはじめとする公害問題、疲労の原因になる長い通勤時間が主な理由と見られる。
米国で睡眠に不適切と判断された都市の「睡眠不足率」は、以下のとおりだった(一部の都市を紹介、数値は1日の睡眠時間が7時間以下の住民の割合)。
・デトロイト(ミシガン州)/50.8%
・フィラデルフィア(ペンシルベニア州)/44.3%
・ニューヨーク(ニューヨーク州)/41.0%
・アトランタ(ジョージア州)/40.4%
・ラスベガス(ネバダ州)/38.9%
・ロサンゼルス(カリフォルニア州)/37.5%
・シカゴ(イリノイ州)/37.4%
・ボストン(マサチューセッツ州)/36.8%
・ヒューストン(テキサス州)/36.0%
・フェニックス(アリゾナ州)/35.6%
・ワシントンD.C. /35.2%
・サンフランシスコ(カリフォルニア州)/33.6%