また、世界全体で同年に暴力によって命と落とした人のうち、68%(約38万5000人)は意図的な殺人の犠牲者だった。さらに、拳銃や自動小銃などの小火器で殺害された人は、犠牲者全体の38%(約21万人)だった。
小火器によって殺害された人が最も多かったのは、中南米とカリブ海諸国だ。下記のとおり、2016年(または情報が入手可能な直近の年)の暴力による死者の5割以上が、拳銃などによって命を奪われていた。一方、最も低い国ではこの割合は、およそ12%だった。
複数の島で構成される米自治領プエルトリコでは昨年、暴力による死者のおよそ8割が小火器によって殺害された。今年5月に約740億ドル(約8兆3000億円)の債務を抱えて財政破綻した同自治領では、公共機関の閉鎖や高い失業率などが犯罪増加の一因となってきた。また、違法麻薬取引が横行していることも影響している。
米国でもまた、銃などを用いた暴力的な事件が頻繁に大きなニュースになっている。暴力事件による死者の60%以上が、小火器によって殺害されている。
暴力的な殺人の凶器に占める小火器の割合が50%を超える国(一部の国を紹介)
・プエルトリコ:79%
・ベネズエラ:78%
・エルサルバドル:73%
・グアテマラ:71%
・パラグアイ:70%
・トリニダード・トバゴ:69%
・ボリビア:68%
・ホンジュラス:66%
・アルバニア:65%
・ブラジル:63%
・コロンビア:63%
・米国:63%