今年のCESで注目の「さかな型水中ドローン」を生んだ中国企業

米ネバダ州ラスベガスでの国際家電見本市「CES」の様子(Photo by Justin Sullivan / gettyimages)

今年も米ネバダ州ラスベガスでは国際家電見本市「CES」が開催される。1月7日にオープンする会場には世界中から膨大な数の企業が出展ブースを出すが、なかでも最大の勢力となっているのが中国の企業だ。

2018年のCESにはトータルで4000の出展企業が参加するが、そのうち1000社が中国の企業で占められている。今回のCESでは特にAI(人工知能)分野に熱い注目が注がれている。その1社として紹介したいのが、“AI搭載のさかな型の水中ドローン”「BIKI」を送り出したROBOSEAだ。

ROBOSEAは2015年に創業の企業。2017年7月に終了したBIKIのキックスターターのキャンペーンでは200万ドル以上の支援金を獲得した。BIKIは最大で深度約60メートルまで潜れる水中ドローンで、個人が手軽に水中世界を探検できるツールとして開発された。

また、世界の釣り関連の市場は2019年には28億ドルに達するというデータもあり、個人だけでなく観光関連のビジネスでの利用も想定される。BIKIには暗い水中の世界を照らす明るさ114ルーメンのLEDライトが2つ搭載されており、画角150度のワイドレンズで水中を撮影できる。

BIKIには北京大学の研究チームが10年をかけて開発したAI技術が投入されており、「独自のアルゴリズムによりバランスを保ち、水中でもクリアな画像を撮影できる」という。また、内蔵のGPSで正確な位置を把握し、バッテリーの残量が少なくなると自動で持ち主の所に戻ってくる。

ROBOSEAの創業者、Xiong Mingleiは次のように述べている。「水中の世界は神秘に満ちており、今後さらに多くのロボットメーカーがこの分野に参入するだろう。環境保護の観点からも、ロボットを通じて人々が海に関心を持つのは良いことだ。また、テクノロジーを釣りの分野に活用するスマートフィッシング市場は今後、大きな成長が期待できる。BIKIの売上が年間数十万台まで伸びることを期待している」

ROBOSEAの長期的な目標は海中の調査にかかるコストを劇的に軽減することだという。また、同社はコンシューマーバージョンのみならず、軍事目的にも利用可能な大型水中ドローンの開発も行っているという。

編集=上田裕資

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