ライフスタイル

2017.12.17 15:00

スコットランドの「隠れた宝石」 世界で13番目のゴルフ場


このゴルフ場の魅力はと聞かれると、やはりその自然の素晴らしさ、ビジターでもメンバー同様に歓迎してくれるそのフレンドシップ、隣接する街のお洒落さなどが挙げられる。そして何といっても、我々が滞在した城かと思うほど素晴らしいホテル、Kaimend Innとそのオーナーであるスーター夫妻のホスピタリティーであろう。
 
先輩の加茂太郎氏が予約してくれたKaimend Innホテルは、ノース・バーウィックの12番ホールに面したとても豪華な「bed and breakfast(B&B)」である。スーター夫妻が一目惚れして購入して以来30年住んでいるという家で、現在は娘さんたちが独り立ちしたため、2階の一部をゲスト用に開放してくれているのである。我々が宿泊した時は、外のベランダでシャンパンを開けて大歓迎してくれた。


ゴルフ場に面して建てられたKaimend Innホテル
 
部屋には、まさに白洲次郎の旧邸宅・武相荘にありそうな、ゴルフ用品、釣り具セット、農耕器具、乗馬セットなどが一式揃っている上、窓から一望できるゴルフリンクスと海の眺めは絶景である。

私はこれまで様々なビーチハウスに泊めていただいてきたが、やはりこのkaimend Innの景色が一番好きである。旦那さんのNigelさんはミュアフィールドのメンバーであり、その裏話を色々聞くことができるため、会話が盛り上がることはいうまでもない。
 
さて、ゴルフ場はというと典型的なリンクスらしい「going out, coming in」のroyal dornoch スタイルであり、ミュアフィールドとも全く違う趣である。outもinも海に並行しており、景色の美しさはもちろんである。コースはアップダウンが少なく、イベントでよく使われる壮大なMarin hotelも景色に溶け込んでいる。
 
私の胸をとりわけ強く打ったのは、やはり15番の「redan」である。ピンをデッドに狙うと大きく口を開けたバンカーが待っているし、右サイドからドローで回して運が良ければ乗るという素晴らしいビューは、世界中のコース設計家がパー3コースを作る時のお手本だろう。私は計4回ほど回ったが、いずれも右から攻めて、ツーオンでパーを取れたのは一回だけであった。
 
名門ミュアフィールドのそばにある隠れた宝石、ノース・バーウィック。世界で13番目に古いゴルフ場であり、設計者は不詳だ。この素晴らしいコースを作り上げたスコットランドの自然、まさしく「Mother Nature」に感謝するのみであろう!


こいずみ・やすろう◎FiNC 代表取締役CSO/CFO。東京大学経済学部卒。日本興業銀行、ゴールドマン・サックスで計28年活躍。現役中から、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢・発起人、TABLE FOR TWO Internationalのアドバイザーなど社会貢献活動にも参加。お金のデザイン社外取締役、WHILL、FC今治のアドバイザー。

文=小泉泰郎

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