私は、同年代の一般ゴルファーの中では、数多くのゴルフ場を見てきた部類に入るだろう。「どこが一番好きか」と聞かれると、やはりノース・バーウィック・ゴルフ・クラブと答えるだろうなと思う。
ノース・バーウィックは、全英オープン選手権の最終予選や多くのアマチュア大会を開催してきているものの、ゴルファーの聖地と呼ばれるセント・アンドリュース・ゴルフ・リンクスなどに比べると、それほど有名ではない。
ただし世界中のゴルフ場でパー3コースのお手本となっている15番ホール、通称「redan」を知らない人はいないだろう。2010年には、全英オープンの開催地として有名なミュアフィールドとともに全英アマチュアゴルフ選手権を共催した。300人もの世界中のトップアマをホストしたことで、名声が上がり、現在は世界ゴルフ場トップ100の50位までランキングを上げてきている。
ミュアフィールドから車で10分くらい走ると、隣町のノース・バーウィックに到着する。コースは2種類あり、1832年に6ホールでスタートしたウエスト・リンクス・コースは、87年に現在の18ホールへと改造された。創設メンバーの10人のうち、地元の住民であったのは初代キャプテンのブラウンだけで、他のメンバーは近隣及びエディンバラ出身であった。
現在の素敵なクラブハウスを取得するまでには紆余曲折があり、79年には財政状態を改善するため、当時60人いたメンバーを120人へ倍増させ、83年には143人へと急拡大している。どこの国でも、資金源の確保とクラブ運営の問題は切っても切り離せないことがよくわかり、面白い。
女性のプレイについては、当初はメンバーの奥さんですら認められていなかったが、1935年に準会員として認められるようになった。05年になって、ようやく完全な投票権と各種委員会に名を連ねることができる正会員の権利を取得したとクラブ史にある。
随分最近のことのようだが、隣接するミュアフィールドが女性会員を認めたのは今年の3月であり、それに先立つこと12年というのは興味深い。