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2017.12.17 12:00

さりげない色気が漂う 最新レンジローバー・ヴェラールは賢い戦略




車重が2027kgと重いヴェラールだが、V6はわずか5.6秒で時速100キロまで加速する。ファースト・エディションが10Km/Lなので、燃費は気にしていられないって感じ。力のあるV6と8速ギアとのシンクロは完璧で、踏み込まなくてもスムースで軽やかに発進する。ここがこのエンジンの楽しいところだ。頑張って踏まなくても、十分に快適。

車高調整のできるエア・サスペンションを採用したおかげで、ヴェラールのコーナリングはSUVというより、むしろスポーツワゴンのようだ。そのため、ランドローバーがこれまでに作ったどのモデルよりも、オフロードというよりオンロード設定になっている。でも、だからオフロードはダメということではないよ。ヴェラールはオフロードでも有能だ。同社のテレイン・レスポンス2システムを採用しているので、どんな路面でもまるで居間にいるよう。低トラクション・ローンチや、オフロードでも一定の速度を維持できる設定もある。そして、エア・サスペンションの採用で、コーナリングは、ヴェラールがどのレンジローバーよりもフラットで、しかもこのクラスで最高級の乗り心地を実現している。

車高を調節するには、ダッシュボードのタッチスクリーンでアイコンにタッチすればいい。ヴェラールのエア・サスペンションが25cmまで車高を高くしてくれる。これで、深さ60cmの川も楽に渡れる。



レンジローバーにヴェラールが加わったということは、同社が競争が激化している高級SUVカテゴリーに、真剣に食い込もうとしていることだ。

ライバルとなるのは、BMW X4、ポルシェ・マカン、ボルボXC60など。でも、ヴェラールの落ち着いていてスタイリッシュな外観と、クラスで最高のインテリア、素晴らしい乗り心地、そしてパワー溢れるエンジンという組み合わせは、とても賢い戦略だと思う。他の欧州系のライバルとの差をつけられるからね。とすると、問題は価格だが、2.0Lディーゼル・エンジンが1000万円から、そしてフラッグシップの3.0L V6は1120万円からなので、競争力も充分だ。

文=ピーター・ライオン

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