他人の手柄を横取り 自分よがりのリーダーが陥る落とし穴

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手柄を自分のものにしがちなリーダー(下位10%)と、手柄を人に与えることの多いリーダー(上位10%)の行動を比較した結果、最大の差が出た行動は「全従業員を公平に扱う」「自己の利益よりもチームのニーズが優先だと行動で示す」「他者の成功を熱心に支援する」「個人的な損得でなく、会社にとって最善の決断を下す」だった。前者のタイプのリーダーは、この4つの行動評価で15パーセンタイルの評価しか受けなかったが、後者のリーダーは82~86パーセンタイルを記録した。

他に差が大きかった行動には「有言実行のために努力する」「自分の行動の責任を取り、人のせいにしない」「人と合意を取るときに信頼されている」「プレッシャーが大きい状況でも、自分の信条を捨てない」「核となる価値観を体現することで、個人として強い模範となっている」「異なる背景を持つ人に対し協力的」などがあった。

こうした行動様式で差が出ている点を見れば、他人の功績を横取りすることの悪影響は明白だ。しかし、ここで焦点を当てるべきなのは、他者に手柄を与えれば素晴らしい価値が生まれるということ。多くの人は、他人を称賛しようと努力することで得られる効果を過小評価してしまっている。

他人の手柄を自分のものにすれば仕事がうまく行くと考えるリーダーは、短期的にはメリットを得ても、悪影響が後に津波のように襲いかかり、最終的には溺れてしまう。

他者に手柄を与えれば、10倍になって返ってくる

上記のデータから、リーダーが他者の印象を上げようと努力した場合、実はリーダー自身の印象も改善することが分かった。リーダーが他者の業績を認めて、他者の評価向上に努めれば、リーダー自身の能力の評価も改善する。「何事も自分の手柄とせず、全て人に与えること」をモットーとしよう。

編集=遠藤宗生

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