ここでは2017年の「30アンダー30」に選出された、注目すべき女性起業家たちを紹介する。
カーリー・クロス(アート&スタイル部門)
スーパーモデルのカーリー・クロスは現在25歳。これまで「ヴォーグ」の表紙を36回飾ったクロスは、フォーブスの2016年の「世界で最も稼ぐモデル」ランキングで3位になり、年収は1000万ドル(約11億円)とされた。
テクノロジーに関心が高いことでも知られるクロスは、非営利団体の「Kode with Klossy」を運営し、これまで500名にのぼる若い女性たちにプログラミングの指導を行ってきた。
「プログラミングに関心を持ったのは、個人的な好奇心からだった。Kode with Klossyの活動を通じ、短期間で多くの人にプログラミングを身につけてもらいたい」とクロスはフォーブスの取材に述べた。
Kode with Klossyの運営にはクロスの自己資金のほか、彼女を支援するファッションブランドの資金も注がれている。関係筋によるとクロスは2015年からこれまでに、百万ドル単位の個人の資金を投じているという。
Seema Bansal(小売&Eコマース部門)
花屋で買ってきたバラは1週間も経てば豊かな色や香りを失ってしまう。しかし、Bansalが考案した箱入りのバラは水を与えなくても1年間、満開の花をリビングで咲かせることができる。
現在26歳のBansalはフィアンセの28歳のSunny Chadhaとともに、2015年にEコマースサイト「Venus ET Fleur」を立ち上げ、このバラの販売を開始した。「特許を取得済みのワックス加工テクノロジーで、花を新鮮に保っている。時間が経っても花の形はそのままに保たれ、香りも残り続ける」とBansalは述べる。
2017年のVenus ET Fleurの売上は7500万ドル(約85億円)に達する見込みで、主力商品は300ドルから1500ドルの詰め合わせのボックスセットだ。現在は主に米東海岸を中心に展開中だが、ロサンゼルスにも物流拠点を整備中という。
ケリー・ピーラー(社会起業家部門)
現在29歳のケリー・ピーラーはウォールストリートで勤めた後、米国の学生ローン問題の解決に挑む「NextGenVest」を設立。スマホのテキストメッセージを通じて、高校生や大学生らに、適切な金融知識を提供している。
「以前の職場の業務を通じ、アメリカでは7000万人に及ぶ学生らが時代遅れの学生ローンの仕組みに苦しんでいることを知った」とピーラーは話す。彼女は2008年の金融危機の直後にJPモルガン・チェース銀行に務めていた。
「次の金融危機が来るとしたら、それは学生ローンが発信源になると危惧している」と彼女は話した。