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2018.01.04

爆進する中国「インターネットプラス政策」の巨大なパワー

(Photo by VCG/VCG via Getty Images)

中国情報通信研究院(CAICT)の発表によると、中国のデジタルエコノミーの規模は2016年に22兆6000億元(約385兆円)に達しており、これはGDPの30.3%に相当する。

BATと呼ばれるテック企業大手3社のバイドゥ、アリババ、テンセントらはIoTやVR、フィンテック、人工知能(AI)、ロボット、ビッグデータ等の分野でデジタルエコノミーを拡大させている。

中国のベンチャーキャピタルもテクノロジー分野に投資を集中させている。中国のインターネット人口は米国とEU諸国の合計を超えている。2016年にモバイル決済された金額は7900億ドル(約89兆円)に達し、米国の11倍だった。

中国政府もデジタルエコノミーを推進している。政府は企業の成長やイノベーションにインターネットの活用を奨励する「インターネットプラス政策(互聯網+)」を通じ、この分野を支援してきた。李克強首相が提唱したインターネットプラスに加え、政府は、AI産業を1000億元(約1兆7000億円)に成長させる目標も掲げている。

2016年の中国のベンチャーキャピタル投資の42%はBATの3社からだった。バイドゥは自動運転やヘルスケアの効率化に取り組んでいる。アリババは小売業者を傘下に収め、テクノロジーを活用した在庫管理で利益増を狙う。テンセントは2011年に「オープンプラットフォーム」戦略を始動。パートナーにテンセントのテクノロジーとWeChatから得られるデータを開放した。

ボストンコンサルティンググループの報告によると、中国のデジタルエコノミーは2035年に16兆ドル(約1800兆円)に拡大し、経済全体の48%を占めるまでに成長するという。その頃には仕事の多くをテクノロジーが担うようになり、高度人材向けの仕事が増えると予測される。経済全体の仕組みが変わる可能性が高い。

テンセントの劉勝義高級副総裁は11月16日、IMF統計フォーラムで「中国において、デジタルエコノミーは最終的に経済そのものになるだろう」と述べた。劉は「供給サイドにとって、中国のインターネットプラス政策は、インターネットとクラウドコンピューティングを既存セクターに統合する強い役割を果たしている。一方で、デジタルのイノベーションはフィンテックやシェア自転車などの形で消費者のニーズに応えている」と話した。

編集=上田裕資

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