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2017.12.29

モデルからTV司会者に、年収24億円を稼ぐハイディ・クルムの強さ

ハイディ・クルム(Photo by Christopher Polk/Getty Images for NARAS)


マクドナルドの広告塔も

その後もクルムの仕事は増え続け、2013年にはオーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」の審査員に就任(ここでも毎シーズン百万ドル単位の収入がある)。2015年には下着メーカーのベンドンと組んでランジェリーライン「Heidi Klum Intimates」を立ち上げた。他にも香水のプロデュース、コスメブランドの「Astor Cosmetics」の広告など、その活動は多岐にわたる。過去にはマクドナルド、ダノン、H&Mなどの広告塔を務めた。

一方、故郷のドイツでは、「隣のお姉さん」的な親しみやすいキャラクターで、「ネクスト・トップ・モデル」の司会を務める。2006年に放送開始した同番組は大人気を博し、第12シーズンを迎える今も250万人の視聴者を抱える。

「彼女ほどの働き者は見たことがない。『ネクスト・トップ・モデル』の収録を海外で行う時は、飛行機を降りた途端に撮影が始まる。オフの日も彼女は他の仕事の宣伝で忙しいんだ」とハヨは語る。クルムのギャランティは、「プロジェクト・ランウェイ」の3倍だ。

さらに今年の夏、クルムはもう一つの大きな成功を母国で成し遂げた。スーパーマーケット「リドル」と組んだアパレルブランド「Esmera by Heidi Klum」だ。同ブランドの商品単価は50ユーロ以下で、27カ国の約1万店で販売されている。発売開始日には1分あたり106着を売り上げた。「期待を上回る結果だった」と、リドルUKのライアン・マクドネルは言う

小売アナリストのウォルター・ローブは「ファッションを扱うことでリドルのイメージは向上したが、その上昇を支えているのがハイディ・クルムだ」と話す。

クルムの最大の強みは、好感度の高さだろう。支持層は14歳から49歳の女性が多い。ビッグマックであろうと、下着であろうと、スーパーに並ぶレザージャケットであろうと、クルムが触ったものはすべて輝きだす。その結果が、2100万ドルの年収なのだ。

編集=海田恭子

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