閉じる

PICK UP

台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

ak phuong / shutterstock.com

台湾では飲酒運転の罰則に“むち打ちの刑”を導入すべきという議論がネットで高まったが、政府の法務部はこれが適切でないとする見方を示した。

台湾政府は人権意識の高い国である点をアピールしている。地元の人権団体も、台湾は中国とは違って人々の権利に敏感な国であると主張する。台湾は今年、アジア諸国では初めて同性婚を認めた。また、人口の2%を占めるアミ族(阿美族)などの先住民の権利を守る活動も活発だ。台湾は国連のメンバーではないが、2009年に台湾政府は国連の国際人権規約法案を通過させた。

台湾の人権団体「Taiwan Association for Human Rights」の代表、Chiu Yi-lingは「むち打ちのような拷問を加えるのは国際的基準に合致しない。このような制度の適用はふさわしいものとはいえない」と述べた。

一方、台湾には犯罪者への罰則の厳格化を望む保守系勢力もいる。台湾では死刑の執行が4年にわたり中断されてきたが2010年に復活した。台湾国民の5人中4人は死刑廃止を望んでいないという統計データもある。

今回のむち打ちの刑導入の議論はフェイスブックが発信源となり、1万7000人以上がフォローした。嘆願に同意した人の数は2万6000人以上にのぼり、飲酒運転だけでなく児童虐待についてもこの刑を課すべきだと求めた。

地元メディアによると台湾では2015年に142人が飲酒運転に関連した事故で命を落としたという。台湾政府が一市民から意見を募るウェブサイトには、法案の立案に必要な5000件以上の嘆願が寄せられた。しかし、政府はこれを認めない構えだ。

「台湾は民主的な国家だ。人権への配慮が必要だ」と政府高官は声明で述べた。12月2日に開催された会合で、司法省の担当者は「むち打ちのような過酷な罰則を与えても重大犯罪の抑制は期待できない。犯罪の撲滅にむけては、さらなる調査が必要だ」と述べた。

編集=上田裕資

あなたにおすすめ

合わせて読みたい