この快適な暮らしは彼が住む高級賃貸アパートが、家事代行サービスの「Hello Alfred」に加入しているからだ。彼が住むミッドタウンの物件「MiMA」は不動産企業「Related Companies」が運営する。
11月30日、Related Companiesは家事代行サービスHello Alfredとの提携を正式にアナウンスした。今後、Hello Alfredはニューヨークの1万1000世帯に同社のサービス対象を広げることになる。
Related Companiesの物件の入居者らは今後、無料で週に一度の清掃や生鮮食品のデリバリー、Eコマースで買った商品の受け取り代行などを依頼できる。MiMAタワーの月額の家賃はスタジオタイプの部屋で約3500ドル(約40万円)、2ベッドルームの部屋が約6000ドルだ。
Hello Alfredはマシンラーニングの仕組みを活用し、利用者の好みを学習するという。同社の共同創業者でCEOのMarcela Saponeは「このサービスを使えば、トイレットペーパーやペーパータオルを切らすことも無くなる」と述べた。
Related CompanieのChris Schmidtによると「賃貸物件業界では、顧客にどんなアメニティを提供するかの競争になっている。Hello Alfredのサービスの導入により、競合よりも優位に立てる」と述べた。
「フォーシーズンズ」や「リッツ・カールトン」などの高級ホテルも近年、室内でホテル的サービスが受けられる高級賃貸物件の運営を始めている。また、WeWork傘下の「WeLive」も富裕な若年層をターゲットにした家事サービスつきの物件の開設プランを発表した。
Hello Alfredの創業者らはハーバードビジネススクールの出身で、2014年の創業以来2300万ドル(約26億円)の資金を調達。CEOのMarcela Saponeは2016年のフォーブスの「30アンダー30」にも選出された。
Hello Alfredは初期にB2Cモデルでサービスを展開した後、不動産業者向けのB2Bサービスに事業モデルを転換。現在はニューヨークやニュージャージー、ボストン、サンフランシスコで事業を展開し、2018年にはシカゴやワシントンDC、ロサンゼルスにも進出する計画だ。
「都市部の不動産業者は今後、物件を提供するだけでの存在では居られなくなる。彼らの商品はライフスタイルとエクスペリエンスになる」とSaponeは述べた。