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ディスコード創業者のスタニスラフ・ヴィシュネフスキー(左)とジェイソン・シトロン(右)

登場からわずか2年で爆発的に広まったチャットアプリのディスコード。人気の火付け役となったゲーマーたちのあいだで、圧倒的な評価を得ている理由とは?


週6日、自分がゲームをしている様子を170万人のフォロワーに向けてストリーミングで中継する通称リリク(26)は、ゲーム界のスターだ。プレー中、彼の画面にはひっきりなしに「ディスコード」からの通知が表示される。ゲーム仲間やファンとチャットするためのアプリで、2年前から使っているという。
 
リリクは、ディスコードをプロモーションすることで報酬を受ける200人のインフルエンサーの一人だ。2015年3月に登場したディスコードは、彼らのおかげで急成長を遂げた。登録者数は4500万人を超え、毎日約2億件のメッセージが送信されている。デイリーユーザー数は900万人で、企業向けチャットサービスとして大人気のSlack(スラック)の500万人を上回る。
 
ジェイソン・シトロンCEOは、「ディスコードは、ほかのアプリに欠けていた部分を補ったのです」と話す。特徴は、文字と音声のやり取りを一本化している点だ。10月上旬にはビデオチャットと画面共有の機能も追加されている。
 
主なユーザーは18〜34歳のゲーマーだ。モバイルアプリを使えば、仲間がいつプレーしているのかがわかり、簡単に次の対戦計画を組める。また、アプリをインストールしなくても、ブラウザで利用できるので煩(わずら)わしさがない。しかも、IPアドレスが公開されないのでセキュリティ性も高い。
 
ディスコードの収入の大半を占めるのは、月額4ドル99セントの会費だ。有料会員になれば、アニメのアバターやカスタマイズした絵文字を使えたりする。
 
ディスコードは、基本サービスは無料のまま、広告も掲載せず、ユーザーのデータを売り渡すこともないと約束している。ただ、会社が大きくなるにつれ、収入源の確保が課題となってくる。アナリストによると、ゲームやグッズを売ったり、開発者向けにツールやサービスを提供したりすることでマネタイズは可能とのことだ。


スタニスラフ・ヴィシュネフスキー(28)とジェイソン・シトロン(32)◎シトロンが立ち上げたゲーム開発者向けサービスOpenFeint(オープンフェイント)は2011年、GREEに1億400万ドルで身売りした。その後、GREEからヴィシュネフスキーを引き抜き、当時流行しはじめていたiPad向けのゲームを開発。だがユーザー数が伸びず、ゲーマー向けのチャットサービスに切り替えた。

文=キャサリン・チェイコウスキ 写真=ティモシー・アーチボルド 翻訳=フォーブス ジャパン編集部

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