ビジネス

2017.12.10

音声アシスタントの覇権狙うアマゾン、企業向けでも独走体制

amedley / shutterstock.com


企業サービスにも注力するアマゾン

アマゾンとマイクロソフトの音声アシスタントの提携は、アレクサを経由してコルタナを起動させ、コルタナの操作が可能になるというものだ。アマゾンは公式発表の中で、アレクサ・フォー・ビジネスを「Microsoft Exchange」のカレンダーにリンクさせることが可能だとしているが、コルタナを経由しなければならないのかは明らかにしていない。

Radio Free Mobileのアナリスト、Richard Windsorは、今後両社が提携を深める可能性は低いと指摘する。

「アマゾンは、エンタープライズ向けサービスにおいてはマイクロソフトを介さず、独自展開を図るようだ」とWindsorは話す。

Windsorによると、マイクロソフトは音声アシスタントを電話と連携させることに注力したため、スキルの多くはデスクトップ向けには設計されておらず、コルタナは苦戦を強いられているという。

今後、モバイル時代が終焉を迎え、アンビエントインターフェースの時代が到来すると考えられている。そうなると、コンピュータは身の周りに存在し、我々は音声で操作を行うことになるだろう。

アマゾンは、エコーによってアンビエントインターフェースの領域で競合他社よりも有利な地位を築いている。オフィスで働く人々が、印刷用紙の発注や会議室の予約、室温設定の変更などをエコーに指示する姿は容易に想像がつく。

Windsorは、今後アレクサがMicrosoft Officeの領域にどんどん入り込み、クラウドサービスでアマゾンとマイクロソフトの対立が起きると予測する。両社はクラウドコンピューティングで熾烈な競争を繰り広げており、このような事態が生じれば、音声アシスタントで連携することはますます困難になる。

今後、両社が音声アシスタントの分野でも衝突することは避けられないのかもしれない。

編集=上田裕資

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