サムスンが「次世代チップ」生産開始、S9向けにパワー増強か

写真はGalaxy S8(Photo by Matthew Eisman/Getty Images for Samsung 837)

サムスンは12月1日、第2世代の10nm FinFETプロセス(10LPP)技術で製造したSoCの量産体制に入ったことを公表した。10LPPは、第1世代に比べて高性能で、バッテリー持続時間も長いという。

サムスンは、「10LPP設計のSoCは、来年初めにリリースするデジタルデバイスに採用する」としており、次期フラッグシップモデルである「Galaxy S9」と「S9 Plus」に採用されるとの見方が強まっている。

4Gネットワークの周波数やシステムは国によって異なるため、サムスンはGalaxy Sに自社製SoCの「Exynos」か、クアルコム製SoCの「SnapDragon」のいずれかを搭載して対応してきた。

2つのSoCの違いは対応周波数だけではない。スマホ関連のニュースサイト「Anandtech」のMatt Humrickによると、SoCがExynos かSnapDragonかによってGalaxy S8の性能に微妙な差があるという。

「両方ともグラフィックパフォーマンスは素晴らしいが、Exynos 8895と20コアのMali-G71 GPU を搭載したモデルの方が大半のワークロードにおいて速い。一方、効率性はSnapDragon 835のAdreno 540を搭載したモデルの方がはるかに高く、GFXBench マンハッタン ES 3.1を使ったテストでは、バッテリー駆動時間が1時間長かった。

重いゲームをプレイするときには、最大パフォーマンスを短時間発揮するよりも、持続的に高いパフォーマンスを発揮する方が重要になる。興味深いことに、GPU温度が上限以下の場合には、両モデルの定常パフォーマンスは同レベルだった。どちらのSoCも最大パフォーマンスを長時間維持することはできないが、定常パフォーマンスは十分素晴らしい。このことは、S8を使ってサムスンのGear VRを使用する場合に重要なポイントとなる。

Galaxy S8とS8 Plusは、発売1ヶ月で販売台数が500万台を突破しており、S9でも同程度の売れ行きが期待できそうだ。サムスンはS9を2018年1月に開催されるCESで披露し、2月のモバイルワールドコングレスで正式リリースすると見られる。新SoCの量産を開始するには最適なタイミングだと言える。

編集=上田裕資

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