小暮:私が使っていたモデルと大きく違うのは、「フロント・リッド」と呼ばれるこのケースの構造ではないでしょうか。
森岡:そうなんです。フロントパネルのファスナーを開けることで内部にアクセスできますので、ラゲージのメインファスナーを開くことなく、前面から荷物の出し入れができます。
小暮:荷物を留める内部のストラップは、取り外し可能な収納ケースを兼用。ケース内部のポケットには書類、電子端末機器などを収納できる。フロントのファスナーはマグネット式なので、ジッパープラーがボディに吸い付くようにセットされる。
森岡:ディテールをどんどんブラッシュアップしている感じがしますね。だからビジネスマンに人気がある。
小暮:ファスナーやポケットの使いやすさって、日常的にバッグを使う身にとってはとても重要だと思います。トゥミは、バッグそのものは耐久性抜群で、機能的に出来ているのは当然ですが、ファスナーなどの細かいところへの気配りが素晴らしい。高級車とそうでない車では、ドアノブのデザインとか、閉める音まで違うでしょう、そんな感じがしますね。オーバースペックという和製英語がありますが、過剰なくらい、性能を考えてすべてを決めている気がします。
森岡:スポーツカーでも、時速200kmオーバーで走る道なんてそうそうないけれど、それくらい走れるほどの性能を持っていることが車への信頼とスペシャル感につながるわけです。
小暮:欧州のスポーツカーは、精悍さとともに洗練さを併せもちますが、このトロリーケースもとても洗練された雰囲気を備えています。まさに高級スポーツカーのような、プレミアム感があるケースではないでしょうか。
森岡:「プレミアム=上質・高級」の意味を十分わかっているトロリーケースといえますね。
森岡 弘(左)◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ現在に至る。
小暮昌弘(右)◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。